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第1章  ぼくは運動が苦手

児童文学です。

冷たくて美味しいラムネが出てきます。

こんなラムネがあれば良いなと思います。(#^^#)

「こらーっ」

今、体育の先生が、ぼくを見て大声を出して怒っている。

「せっかくのパスをムダにするんじゃない」

先生が怒るのも、無理はない。

ぼくは、たまたまサッカーゴール近くに立っていたから、パスが回ってきた。

だから絶好の得点のチャンスだったのに、突然来たボールにあわてて、見事に空振りをかましてしまった。

大きなチャンスを逃してしまったんだから。

「ちぇ、だれだよ? あいつにパスなんか出したのは……」

クラスメイトの一人が、つぶやいた。

荒井のぶおだった。

のぶおは、クラスの中でも、ダントツに体格が良くて、力もあり、運動神経も抜群。

おまけに、勉強もそこそこできる。

学校の行事ごとにも積極的に参加しているので、先生からも一目置かれているみたいだ。

だから、だれものぶおには逆らおうとしない、クラスの中心となる人物だ。

運動が大の苦手で、勉強が大嫌いなぼくとは、同じ教室内にいても太陽と月くらい、離れた距離を感じる存在だ。

そして、勝負ごとに熱い。

先週、行われた運動会のクラス対抗戦リレーで、のぶおはアンカーを務めた。

5クラスあった中でバトンを渡された時こそ、最下位のビリだった。

にも関わらず、信じられない速さで次々と選手を追い越していった。

3人を抜いて、あともう少しで最後の一人を抜けるところで、2位に終わってしまった。

結果は2位だったけれど、ビリからの追い上げは、クラスどころか、全学年の生徒たちの注目を集め、運動会は最高に盛り上がった。

ぼくも、すごくかっこいいと思った。

 だけどのぶおは、運動会が終わったあとも、ずっと悔しそうにしていた。

そして、のぶおといつも行動を共にしている佐々木ひろきとこそこそ話しているのが聞こえた。

「北野がこけたせいだ」

ぼくは、ドキッとした。

確かに、ぼくは自分が走っている時、緊張のあまり足がもつれてこけてしまった。

それまで、2位だったにも関わらずこけたことで次々に追い越され、結局ビリになり、そのままバトンを渡す形になってしまった。

だけど、わざとなんかじゃないのに、ぼくはできるだけ精一杯やったのに。

 その日を境に、のぶおをぼくに意地悪をするようになった。

のぶお達だけじゃない。

のぶお達の話を聞いて、ぼくに責任があるという声がクラス中でも広がってしまった。

それから、クラスメイトにあいさつをしてもぼくは無視をされるようになった。

また、給食の時間もぼくは一人で食べている。

以前は、班同士で机をくっつけて食べていたけど、班員の女の子に迷惑そうな顔をされたから、結局今では一人で食べている。

気がつけば、教室ではいつも一人で過ごすようになっていた。

そして、ぼくは、運動も勉強も一生懸命やることをやめることにした。

一生懸命がんばっても、こんなにいやな思いをするくらいなら、最初からなにもしない方がいいと思ったからさ。

たぶん、間違ってないと思う。

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