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勉強が苦手で悩んでいることを打ち明ければ、宮園さんは私を気にかけてくれるはず。それがユリエルさんの見立てだった。
というわけで、ラインで彼女にメッセージを送り、勉強を教えてほしいと伝えることになった。
『実は宮園さんにお願いしたいことがあります。他に頼める人がいなくて困っているんです』
まず、詳細は明かさないまま相談を持ち掛ける。
宮園さん以外に頼れる人がいない点を強調することがポイントである。
返事はすぐに返ってきた。
『どうしたの? 私でよければ相談乗るよ』
ユリエルさんの予想通り、宮園さんは困っている人を見捨てようとはしなかった。
よし、これならいけるかもしれない。
トークを続行する。
以下は私と宮園さんがライン上でやり取りをしたメッセージである。
『最近、授業についていけないんです。私に勉強を教えてもらえないでしょうか』
『いいよ。何の科目?』
『ありがとうございます! 科目は数学と英語です。明日の放課後、教室に残って勉強に付き合っていただけますか?』
『了解。予定空けておくね』
『お願いします!』
すごい。あっさり引き受けてもらえた。
宮園さんって、本当にいい人なんだなぁ。
「やったよ、ユリエルさん」
「いいですね。この調子で進めていきましょう」
勉強会作戦は幸先のいいスタートを切れそうだ。
「ひとまず、二人切りになれる環境を用意することはできました。では、次に勉強会でのアピール方法について考えましょう。ここでは大胆に攻めていきますよ」
「大胆って……。宮園さんを誘惑するの? 恥ずかしいのは無理だよぉ」
「違います。そういう意味ではありません。まったく、『大胆』という言葉を聞いただけでお色気作戦を連想しちゃうなんて、本当に紗友里さんはエッチな子ですね」
「ううっ……」
私は黙り込んだ。何でもない言葉をすぐにいやらしいことと結びつけてしまうのは、スケベとしかいいようがない。
この癖、何とかしないとマズいよね。宮園さんにまでスケベな子だと思われたら嫌だもん。
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