表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Moon Rabbit ~ムラビト~  作者: 煤周 昴
つきのうさぎ
2/10

つきのうさぎ

教室は心痛むほど明るくて、賑やかだった。

ここにいる子供たちは、自分がどうしてここに居るのかも、まだ何も知らない。

運命という檻に囚われた、あの寓話に出てくる小鳥のように。

不意に、()と目が合った。

私の考えていることを全部わかって、だからこそ彼は、今日の()()をこんな疑問から始めたのだ。


夜空を見上げて、こう思ったことはないかい、と。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



「皆は、夜空を見上げて、こう思ったことはないかい?」


「どうして月にうさぎがいるのかって」


「え、なになに?」


「本当は月にうさぎなんていない?」


「はは、君たちはずいぶんと夢の無いことを言うんだね」


「でもさ」


「月のうさぎが居たらって妄想するのも楽しいと思うよ」


「耳の飛び出た宇宙服を着て暮らしてるのかな......とか」


「つきたてのお餅に、ニンジンをトッピングしたりするのかな......とか」


「ほら、面白くなってきたでしょ?」


「よし。じゃあ今日は、自分なりの、つきのうさぎを描いてみることにしようか」



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



「やあ、初めまして」


「......おーい、聞いてる?」


「そうそう、画面の前のキミだよ」


「物語が始まる前に、キミだけに教えてあげたい事があるんだ」


「あの子たちには言わなかったけど」


「実は、()()()()()ってのは実在するんだよ」


「ふふ、驚いた?」


「これはボクたちだけが知ってる真実」


「......ってちょっとちょっと!!」


「そんなに怪訝な顔をしないでよ」


「ま、論より証拠」


「これから君に見てもらうのは、自己犠牲に生きる心優しい......」


()()()のうさぎの物語さ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ