第?夜 ???
「あ、あれ…?夢から覚めたつもりなのに…」
気が付いたら夜神家の和室ではなくではなく、
外国にある大図書館みたいな所に来ていた。
外の様子がどうなっているかは良く分からないが
至るところに大量の本がズラリと本棚に並んでいた
私が今いる場所はどうやら一階の吹き抜けの大きな机にある椅子で突っ伏して寝ていたらしい。
ふと空を見上げると月がいつもの色ではなかった。青い…??
「やぁ。起きたんだね」
「ふぇっ!!??」
気を取られていて見てなかったが、私が寝ていた真っ正面には男の人がいた。驚く顔が面白かったのか笑われてしまった。彼は本を数冊机の上に置き
私の目の前に座った。
「あ、あの…ここは…」
「あぁ。見ての通り大図書だよ」
「それは分かるんですけど……」
「言いたいことは分かるよ。状況把握が難しいのも無理はない。僕も長年此処にいるけど初めて来たときは驚いた」
手に抱えてあった分厚い本は読まず、机に置いた本をペラペラ捲りながら話す彼。無意識に緊張してこわばっていた私は不思議と安心していた。
ゆったりとした時間が流れていると、私の目を見てふんわりと微笑みながら彼は口を動かした。
「ねぇ。ここであったこと秘密にしておいてほしんだ。気軽にこれる場所ではないからね」
「は、はい…」
声のトーンが段々と下がり、決して話すことを赦させない目をしていた。彼から発せられる緊張に自然と背がしゃんとなる。それを見た彼は安心したのかさっきの緊張を解いて私にとある一冊の小さな本を渡してくれた
「これは、君が本当に心から苦しくて「選択」を謝ってしまいそうな時に開いて。チャンスは一回きりで開いたら二度と戻せない。…それだけ強い事が書かれているから安心してね?」
「は、はい…!」
「よし。いいこ」
親御さんが心配するからと、私は帰り支度を始めた。
彼は3つのこと教えてくれた。
私以外にも別の『世界観』があること。
その世界観に「今は」干渉してはいけないこと。
干渉してしまったら本来あるべき事柄が変化してしまうこと。
そうこうしているうちに彼が案内してくれた大きな扉の前に着いた。初めて会う人なのにどうしてこんなに大事な事を話してくれたのか疑問に思い、思わず彼の目をじっと見てしまった。その様子に気づいた彼はその事を言うまいか躊躇していたものの、意を決して優しく私の頭を撫でながらこう言った。
「君は沢山の味方がいる。…でも全てを信じてはいけない。僕がずっと抱えていたこの本は、この世界観の本来あるべき運命が書かれている。でもね、必ず誰かがその運命を変えるんだ」
「えっ……」
思いがけない衝撃に言葉が出てこなくなる。安心させようと笑みはたやさないものの、不安がる私の目を見た彼は何処か苦しそうだった。
「…僕は表には出ないけど、君がいる世界観を護る担当。君もこの世界観も必ず護るから安心してね?」
「はいっ」
「……いっておいで」
私の表情に安心したのか、彼は扉を開きそっと私の背中を押した。彼の温かい手の温もりに不安という暗闇に覆われていた未来に一筋の光が差した気がした。
長々とすまないね。本編突入前に失礼するよ。
これからは画面越しにいる『君』が彼女と一緒に「物語」を進めて欲しい。
何を感じるか思うかは君の自由だ。
それでは、いってらっしゃい