弱火ドラゴン
ワシはドラゴン。
オレンジ色の立派なドラゴンだぞい。
自慢のツメは神をも斬り裂き、自慢のウロコは勇者の剣も通さないぞい。
カッカッカ、ワシ、最強!
でも、悩みがあるぞい。
ブレスが、出ないぞい。
『グオォォォォォオ!!!!!』
バサバサバサァ
キャンキャン!
ドドドドド……
……しーん
雄叫びが虚しいぞい。カッコいいビームでも出したいぞい。ぞいぞいぞい。
氷龍「あーあ今日もやってるぜ」
花龍「やーねー」
こんな格好悪いとモテないぞい。
実はワシ、火魔法なら使えるんだぞい。
チッ
シュボッ
弱火ぞい。ワシのツメはライターぞい。
ふーんだぞい。ワシは味噌汁を作れるんだぞい。
グツグツグツグツ
大きな鍋に水と野菜を入れて沸騰ぞい、味噌をドバッと入れるぞい、そして弱火でじっくり。
できたぞい。いただきます。
ゴクゴクゴク グビグビグビ
カーッ、味噌汁は最高だぞい!
何ぞい?
ボカァァァァン!
勇者「ヒャッハー!」
氷龍「ぎゃぁー」
花龍「助けてー」
勇者ぞい。チェーンソーとダイナマイトを振り回してるぞい。
ブィィィィィィン
ブィィィィィィン
ブィィィィィィン
勇者「おらおら、竜のウロコ、出せ!」
弱火龍「止めるぞい!」
勇者「ヒャッハー素材だー!」
せっかくだから、弱火を使ってみるぞい。
ジュッ
--勇者は右手を火傷した。
勇者「アチィィィィィ!?!?」
ぽろり
ブィィィィィィン
勇者「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ボォォカァァァァァァン!!!!!
勇者はチェーンソーとダイナマイトを足に落とし、全治2ヶ月の怪我を負いましたとさ。
これを純文学と言い張る勇気