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エピローグ 六
「えっ…、でもこれ、見ていいの?」
「うん!
実はこの日のために、日記帳のコピーもとってあるんだ!
私エッちゃんと、秘密を共有したくて…。
だからこれ、持っててくれる?」
「もちろん、リッちゃんが嫌じゃないなら…。」
そう恵美は理沙に返す。そして、その日から理沙と恵美の、「秘密の共有」が始まった。
「それにしても…、この日記、描写細かいね。」
「まあね~!」
その日記には、まめな理沙の性格が出ているであろうか。
理沙は和紀に告白された時から、日記を綴っていた。そしてそこには、和紀の言った言葉、理沙の言った言葉、それにその時の和紀の服装や理沙の服装、周りの状況や天気までこと細かに描写がされていた。
「よくこんなに覚えられるね…。」
「まあ、私頭いいもんね~!」
「それ自分で言う!?」
理沙の冗談に、恵美が笑う。
そして、病院から出られない恵美は、その時は入退院を繰り返していた理沙の日記のコピーを読むのが、楽しみとなっていた。




