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エピローグ 三
「じゃ、じゃあ理沙さんにお願いがあります!
その…、私と友達になってくれませんか?
実は私、少し前から入院していて…、この病院には友達はいないんです。」
「はい、喜んで!」
気づいたら、少し大きめに返事をしている理沙がそこにはいた。
「ありがとうございます!」
この時理沙は、自分の不幸な境遇を誰かに話して聞いてもらいたかった。そして、そんな事実を共有してもらいたかった。
『…私の病気のこと、和紀に話したいけど…。
でも和紀に心配かけたくないよ…。』
理沙は以前から、彼氏の和紀に病気のことを何度も話そうと思ったが、そういった思いから話せていなかった。
だからその時の理沙には、「病気も含め何でも話せる友達」が必要だったのだ。
『それにこの子、悪そうな子には見えないし…。』
そういった思いから、理沙は恵美の申し出を快諾した。




