揺れる心 八
もしかして、恵麻さんと理沙は血が繋がっている?
恵麻さんは、『理沙の妹さん』なのかな?
…だとしたら、恵麻さんが名字を僕に言わなかったのも頷ける。恵麻さんは僕と理沙のことを知っていて、それで理沙のことを僕に思い出して欲しくなくて、僕に『自分が理沙の妹だ。』ということを隠していたのかな?』
…理沙からは、『自分に妹がいる。』っていうのを聞いたことはないけど…。』
さらに和紀は考える。
『…だったら恵麻さんと理沙が所々似ているっていうのも分かる。何せ、恵麻さんと理沙が姉妹だって言うなら…。
…でも恵麻さんと理沙が姉妹っていうだけで、しゃべる言葉まで似てくるものなんだろうか?
…いやいやそれはおかしい。1個1個の発言まで同じっていうのはちょっと…。
ということは…、そのこと、恵麻さんと理沙の発言が似ているっていうのも、何か理由がある…のかな?』
その先を和紀は考えようとしたが、そこから先はいくら考えても、答えは出てこない。
『とにかく、今度恵麻さんに逢ったら訊いてみよう。』
そこまで考えた和紀は、最終的にそう思うのが精一杯であった。
またそうしているうちに、恵麻の方から和紀に連絡が入る。
~和紀さんへ
今日はありがとうございました!
それで今度、和紀さんと一緒に行きたい所があるんです。
そこで色々、話ができたらなと思います。
それは―、~
 




