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揺れる心 三
「じゃあ、江戸時代当時の朝鮮半島の国名は、分かりますか!?」
「もちろん分かりますよ。
でも恵麻さんは本当に知ってるのかな?」
「ちょっと!そんなの当たり前です!
えっと…、あれ?確か『○○氏朝鮮』だった…はずですけど…。」
「答え、言いましょうか?」
「いえいえ待ってください!えっと、えっと
…。
思い出した!『李氏朝鮮』ですね!」
「ご名答!」
「…私だって、やればできるんですから!
…ってかやっぱり私、和紀さんには勝てないかな…?」
『そんなムキにならなくても…。』
と和紀は言いかけたが、思いとどまる。
なぜなら、それを言ってしまうと恵麻は本当に怒りそうだったからだ。
「…でも、この辺り本当にきれいですよね!」
「確かに!」
和紀は、そう話題を変えた。




