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病 二

※ ※ ※ ※

 「そ、それは…本当なの!?」

和紀は理沙の言葉を聞き、思わずそう理沙に訊き返した。

 その口調は明るかったが、内容はとても深刻なものであった。

 「うん、本当だよ。私、余命宣告受けちゃった。

 それで今年の12月が、私がこの世にいられる最後になるんだって。」

「そ、そんな…。」

 思えば最近の理沙は時々学校を休んだり、デートに誘っても、

 「今日はちょっと用事があって…。」

と、断ったりすることが多くなってきたようには感じていた。しかしその理由がまさかこんな深刻なことだとは…和紀は想像もしていなかった。

 「いままで黙っててごめんね。何か、言い出しづらくって…。」

「うん…。」

と和紀は相槌を打ってみたものの、次の言葉が出てこない。

 『理沙はどうしてこんな大事なことをもっと早く言ってくれなかったんだろう?

 僕のことが信頼できなかった?』

それは、理沙と逢えなくなるかもしれないというショックからの逃避行動であったかもしれない。その「告白」はそれほど、和紀にとって重いものであった。

 しかし、和紀はそんな考えを持った自分を一瞬で責める。

 『何考えてるんだ僕!1番辛いのは理沙じゃないか!

 何自分の痛みをごまかそうとしてるんだ!もっと理沙のことを考えてあげないと…!』

 そして気丈になった和紀は、理沙にこう告げる。

 「ごめんね、理沙。」


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