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病 一
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君が病気のことを僕に初めて語ってくれた
のは、僕たちが付き合い始めてからもうすぐ2年になる前だったよね。
それまでの君は、体調が悪そうな様子もほとんど見せなかったから、最初僕がそれを聞いた時は本当にびっくりしたよ。
…いやそんなことはどうでもいい。僕はその時、君が遠くの世界に行ってしまうこと、僕たちがもう2度と逢えなくなることが怖くて、その現実を受け入れられなくて、泣いてしまったんだ。
でも、君はもっと辛い立場だったよね。病気の恐怖とも闘わないといけないし、もしかしたら僕に隠しごとをしているようで心苦しかったかもしれない。
そう、君が背負った「辛さ」「苦しみ」に比べたら、僕の「辛さ」なんてちっぽけだ。
だから僕はあの時決めたんだ。
君を「笑顔」で送り出そう、って…。




