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彼女の気持ち 八

 そして、前菜から順に、和紀たちの所に料理が運ばれてくる。その料理はシンプルなサラダ。その後は、フォアグラを使用したメインの料理。当然といえば当然だが、あの時、理沙の時と出される料理は異なっていた。

 そして、今まで強い既視感に襲われていた和紀はそのことになぜか安堵する。

 しかし、例のウェイターが積極的に話しかけてくる…のは昔と相変わらずだ。

 「大学生の方ですか?」

最初のウェイターの質問に恵麻は、

「はい。」

と答える。

 しかし次のウェイターの発言に和紀は固まりそうになった。

 なぜならそのウェイターが、

「そういえば、あれは何年前だったかな?このレストランに、高校生くらいのカップルが来店されたことがありました。」

 『いや、それは僕のことだ…。』

そこまでの情報で、和紀はなぜかそのことを確信する。

 すると恵麻も、その話を聞いて少し曇ったような表情になる。

 「おっと、これ以上昔のお客様の話をするのは…、日本語で言う、『野暮』にあたりますね。

 では、ごゆっくり。」

ウェイターはその和紀と恵麻の様子を察したのかそう言ってその話を切り上げ、その後話しかけてくることはあったが、別の話題であった。

 『とりあえず、助かった…。』

内心で和紀はそう思うと、なぜか恵麻の方も同じ様子を見せる。

 その時心の落ち着きを取り戻していた和紀は、

 『でも何で、恵麻さんがホッとしているんだろう?

 …やっぱり、恵麻さんは僕と理沙のことを知っている?

 …なら何で?

 …って僕の考えすぎかな?』

と思うが、そう考えているうちに恵麻の表情は元の楽しそうなものに戻っていた。 


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