幸せな日々 十
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あの時、僕が君にサプライズでプレゼントを用意した時、僕は本当はかなり緊張していたんだ。
『ちょっと重すぎるかな?理沙が喜んでくれなかったらどうしよう?』なんて…。
でも、あの時君は喜んでくれた。それも心の底から…だと僕は思ったんだけど、違うかな?
そして君がくれたネックレス。あれ、僕はすごく嬉しかったよ!
あと、僕の分の指輪だけど、今は君がくれたネックレスに通して、トップを2つにしているんだ。
君がこの世からいなくなってから、何か指輪をはめるのも辛くなって、でも捨てることもできなくて…。それで、君のくれたネックレスとくっつけていたら、ちょうどいいような気がして。
あとあの夜、ウェイターさんが語ってくれた話、面白かったよね!あの人はフランス人だったらしいけど、フランスでも日本でも、告白したりプレゼントをしたりするのは緊張するらしいね。
そしてあの時、僕はあのウェイターさんとその奥さんみたいに、将来僕たちは一緒になるんだとばかり思ってた。そう、僕の気持ちも、君の気持ちも永遠に変わらない、そう思ってた。
…僕の気持ちは、昔と変わってないよ。でも、君はいなくなってしまった。
そんなことを考える度、僕はあの夜のことを思い出すよ。




