幸せな日々 九
その後2人は肉料理も堪能し、いよいよ最後のデザートとなった時…、
「南沢理沙様、こちらが高坂和紀様からの、クリスマスプレゼントでございます。」
例のウェイターがそう言い、理沙にあるものを渡す。
「えっ…!?」
「理沙、開けてごらん。」
驚く理沙に和紀はそう言い、理沙が箱を開けると…、
そこには小さな指輪が入っていた。
「そして、こちらが高坂和紀様の分の指輪となります。」
ウェイターがそう言って和紀にも箱を渡す。そこには理沙のものよりも少し大きめの、しかしおそろいの指輪があった。
「ありがとう、和紀…!
私、こんないい物じゃないけど、一応和紀にプレゼント買ってきたんだ…!」
そう言って理沙は和紀にある物を渡す。
その箱の中身は…、黒いフォルムのネックレスだった。
「それでは、この後もごゆっくりお過ごしください。」
そう言ってウェイターは去っていく。
「…プレゼントに指輪って、ちょっと重かった?」
「ううんそんなことないよ!嬉しい!」
和紀の質問に理沙はそう笑顔で答え、和紀は安堵する。
そして残りの時間、和紀と理沙は楽しそうにおしゃべりをして過ごした。
「楽しかったね和紀!またここに来たいなあ…!」
「でも、次来る時は絶叫系はなしね!」
「ええ~和紀の恐がる顔、もっと見たいよ~!」
「えっ…!?」
「冗談冗談。また、2人で遊ぼうね!」
「分かった!」
これは、そのレストランを出た直後の2人の会話である。その日はたまたま空は晴れ渡っており、2人はテーマパークの照明に隠れた星空を、その日少しだけ堪能し家路についた。




