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忘れられない恋 十五
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僕が甘い物をあんまり食べなくなったのは、
君がいなくなってからしばらくした後のこと。
初デートの想い出が「甘い物」だったから、何かスイーツを見ると昔を思い出して辛くなって、無意識にそれを避けるようになってしまったんだ。
もちろん君とスイーツは本当なら関係ない。そんなの分かってる。でも、僕にはそんな「どうでもいいかもしれない繋がり」が辛い。
いや、本来ならスイーツは君との想い出で、大切にしないといけないものかもしれない。もちろん、僕は君との想い出を頭の中で何度も何度も反芻して、大切にしているよ。
でも、スイーツだけはなぜか…、
思い出したくないんだ。




