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忘れられない恋 十三
和紀は理沙と付き合い始めて、特に今日1日で気づいたことがある。
それは、理沙は感情表現が意外に豊かだということだ。
理沙は見た目はおとなしそうに見えなくもないが、よく話をしてみると冗談を言って笑ったり、また今回の映画のように思いっきり
泣いたりする。また和紀はたまたま理沙の怒った顔を見たことがある。それは高校の中で、理由はよく分からないが少し不機嫌な様子であった。(あとで和紀は理由を理沙に訊いたが、「大したことではない。」と言われた。)
そしてその怒った顔も何だかかわいいように和紀には見え、微笑ましい気持ちになった。
『理沙って、いろんな表情するんだな。
やっぱり、理沙は純粋な子なんだな。』
和紀はそんな理沙を見て、そう思うのであった。




