1話
他の作品もあるのに書き始めるとは、気でも狂ったのか俺は?と、思いながら書いていました。
しかし湧き出す思いを止める事が出来ず投稿に至った作品です。
生暖かい目で見て貰えると幸いです。
「もうそろそろ限界かのぉ」
御歳154歳のお爺さんが呟く。
今は西暦2154年。
2000年に生まれ20、21、22世紀の3世紀を跨いで生きたこのお爺さんにメディアは注目していた。
色々な番組にて健康長寿は取り上げられるが最年長と呼ばれるような長寿の方は大抵が1人では日常生活もままならない寝たきり状態や車椅子だ。
それにも関わらずこのお爺さんは元気溌剌で医者にもかからず世界の長寿記録を塗り替えている。
これ程までに健康寿命と寿命の噛み合った老人は珍しい。
何故こんなにも元気でいられるのか?
それはこのお爺さんがファンタジーには不可欠な魔力を持っているからだ。
このジジイ、若かりし頃は相当なオタクであった。自らも魔法を使いたいと常に思っていたのだ。
だが現実にそんなものはなく大層悔しがっていた。
そして藁にもすがる思いで「30歳を越えても童貞なら魔法使いになる」などと言う迷信を信じてしまう。
だが世の中に30歳で童貞などありふれているにも関わらず魔法使いはいない。
この事からも分かる通り迷信は所詮迷信であると諦めるのが普通の人であるがこのジジイの思考は少々常軌を逸していた。
世間一般では童貞の定義としては女性経験が0の人の事を指すが、本来は精通すらしてない人を童貞と呼ぶのではないか?と。
どんなにムラムラしようとも筋トレで発散し、ついに30歳になった時、神の気まぐれかジジイに魔力が芽生えた。
魔力が芽生えようとも使い方が分からないので結局超常現象をおこすには至らなかったが肉体を強化する事は出来た。
また、魔力は肉体の老化を少し遅くする機能まで着いていたのだ。
そして童貞として日数を重ねる毎に魔力が微増するものだからとことんやらないと気が済まないジジイは我慢に我慢を重ねた。
そして遂に枯れた。
《完全なる童貞》
高みに至ったジジイの魔力は殊更に増え続け、今や人類最年長に至った今のジジイは膨大な魔力を有している。
だがしかし、ジジイの肉体は魔力の補助をもってしても限界に達そうとしていた。
「なんの奇跡か魔力は得たが、魔法の発動にはついぞ至らんかった。それだけが未練じゃ。願わくば来世は魔力や魔法が普通にある世界に産まれたいものじゃのぉ」
それがこのジジイの最後の言葉であった。
享年154歳。
思春期特有の精神疾患。恐ろしい黒歴史を残し人々を恐怖させる不治の病、厨二病。
厨二病発症から140年余り。約一世紀半もの間童貞特有の
純粋な心で思い続けたひとつの願い。
「魔法を使いたい」
ただの現実を見れないジジイの戯言でしか無いが、無垢で一途な願いに膨大な魔力が合わさり奇跡が起きる。
ーーー特異体の死亡を確認。
生前最後の願い「魔法世界への転生」を確認。
膨大な魔力を対価とし神ーーと契約が成立しました。
神ーーにより契約が履行されます。