1日目-後編
いつもと変わらない仕事を淡々とこなしていく。代わり映えのない日常だ。
俺の仕事はリハビリの仕事である。患者さんを相手に会話をする。
『今日の朝、事故あったんですよ。大きな事故でしたよ。』
患者さんに今日の事故の話をする。
「あっ、さっきニュースになってましたよ。死傷者が12人いたらしいですよ。」
そんなにも死傷者がいたのかと驚く。
『そんなにいたんですね。本当にすごい現場でしたよ。』
今思い返してもすごい場面に出くわしたと思う。
あのような場面に出くわす事が人生で何回ある事か。むしろ1回もない人の方が多いのかもしれない。
そうして会話をしながら仕事をこなし、終業時間となった。
夜の帰り道、電車を降りると外は暗くなっていた。夜の10時では当然と言える。駅から歩いて30分の道のり。いつもと変わらない帰路に着く。家に近づくと子供の泣き声が聞こえた。何事かと思い声のする方へ向かう。
「痛いよ…なんでこんなことになっちゃったんだろう…」
近づくと声は聞こえるものの姿が見えない。
しかし、ハッキリと聞こえる。
周りを見てみるが何も見えない。
よく考えてみると、ここは朝事故のあった現場だ。突然怖くなる。
すると子供の声とは別の声が聞こえてくる。
「お掃除〜お掃除〜」
陽気な男の声が聞こえてきた。
男の姿は確認できた。
酔っ払ったような、おぼつかない足取りで電柱の周りを箒で履いていく。
そうすると子供の声が消えた。とても不思議な現象だ。
見えないものは怖くないと思う俺であっても、今回のは怖く感じた。今までに無い経験であった。
夜、自室にて色々と考える。もちろん今日の出来事である。
一体あの声はなんだったのか。子供の泣き声に聞こえたが、姿は見えなかった。心霊現象であろうか。だが、俺は信じない。見えないものは信じないからだ。では聞こえたものは…そこは考えないことにしよう。
あの酔っ払いのような男はなんだったのだろうか。箒でサッと履いただけで声が聞こえなくなるものだろうか。それとも俺の幻聴…
色々考えたらキリがない。今日は何もかも忘れて寝ることにする。
その代わり今日から日記を付けよう。もしかすると、今日のような事がまた起きるかもしれない。 その時、今日の出来事を振り返ることが出来るようにしておこう。
それではまた明日。
ページ数の多い日記を必死に簡単にわかりやすくまとめてます。皆様にも分かってもらえて尚且つ面白くなるようにまとめてます。時間がかかって申し訳ありません。全てが終わった時、全てページをそのまま載せようかとも考えています。