world 0 選ばれた人
このお話に興味をもってくださり、ありがとうございます!少し長くなると思いますが、どうぞ最後までよろしくお願いいたします。
あ、言い忘れてました、このお話、色々な神話の神様とか武器とか怪物とかたくさん出てきます。神話の神様などはなるべく実際の神話に寄り添うように進めていきますが、ところどころ私オリジナルな要素も出てきます。ていうかそれがほとんどなので、実際の神話とはまったくの別物の世界と捉えてもらって結構です。っていうか間違ってもこのお話で神話とかを勉強しないでください!
前書きが長くなりましたが、これからよろしくお願いいたしますね!
俺は、今目の前の敵と戦いの最中であった。相手は、シズと名乗る(自称)最強のランス使いだった。なんでも最強の槍使いの俺にドイツの奥から戦いを挑んできたんだと。へぇ。ご苦労なこった。
『雷槍変化』
俺が低く呟くと、この槍に雷、もとい電気の力が付与された。そして、シズを包み込むように雷の刺を発生させた。相手は、ランスを少し振るい、俺の雷の刺を薙ぎ払った。まあお互いにただの様子見だ。
シズは、ランスを地面に突き刺した。すると、俺の足元が揺れ始めた。多分、石像あたりの登場だろう。
が、出てきたのは石礫だった。石属性か…これはまたレアなやつと遭遇したもんだ。
『雪槍変化』
俺は雷属性から雪属性に変化させ、石礫を瞬時に凍らせた。と、その瞬間にシズのランスから水柱が俺の背中目掛けて飛んでくるのが見えた。しまった。ここで水柱に向けて氷槍を振るえば、その瞬間に石礫の餌食となる。
俺は一瞬考えてから、氷槍を地面に突き刺した。
すると、俺を中心に半径一メートル一帯が氷世界と化した。これで石礫と水柱は大丈夫だろう。
まいったな、あいつは土と水を使うのか…俺の炎と雷だと相性が良くない。仕方ない、こいつはそこら辺の雑魚よりは少しばかり格上だ。少し本気を出そう。
俺は槍に精神を込め、槍を天空に掲げる。
そして、俺の槍の柔軟性を上げた。槍とランスだ。接近戦もいいだろう。だが、俺はあまり筋力に自信がない。あんまり重たいものは使いこなせない。だから、強度はこのままで柔軟性を上げた。奴のランスと俺の槍では、俺の方が力負けをしてしまうだろう。トリッキーな戦い方の方が俺には合っているのだ。
俺は奴に近づき、変幻自在に伸びる氷槍を武器に接近戦を始めた。
俺は少し距離をおきながら槍をのばして戦っていた。が、少しして、相手の眼から戸惑いの色が消えた。きっと動きを見切られた。俺は距離をおき、もう一度槍を天に掲げた。
今度は硬度だ。鞭のような柔軟性は消えたが、ダイアモンドに匹敵する硬度を得た。
しばらく奴と接近戦を繰り広げていたが、奴はいきなり俺から距離をおき始めた。なんだ?いぶかしく思う俺を横に、奴はこう言う。
「お前は…強い。明らかに、俺が戦ってきたなかのどんな奴よりも強い。本当に奇跡みたいな槍だな、それは。その奇跡、決して潰すなよ」
そして奴は去っていった。
奇跡、ね…。
家に帰り寝た。しまった、明日は試験が三つあるんだった…。