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騒がしき朝

「もう、オバサンって言わないで!いつもいってるでしょ!」


アイアンクローから復活した叔母はもそもそと朝食を食べながら、不満げに言った。


「いや、叔母にあたるんだから、叔母さんで当たってるよ。」


「だーかーらー、オバサンって言わないで!まだ二十代なんだから。お姉さんとかおねーちゃんって呼んで。」


「やだよ、気持ち悪い。」


「何でそんなこと言うのーーー!こんなに愛してるのに!」


バッサリと言い過ぎたのか、涙目で抗議をしてくるが長くなるのでいちいち取り合わないことにしている。


「もういいから、さっさとご飯食べてよ。僕学校なんだかから。」


「そんな事言うなら、創くんの入学式に出るから!」


わーわー抗議をしていても、柳に風と受け流していると、ついにいじけたのかとんでもない発言をしてくる。


何てこと言いやがるんだ、この女。


思春期真っ盛り男子の入学式に親族が出席する、それだけで恥ずかしいのに、この叔母はことある毎にその手のイベントに張り切る習性を持つ。

そんなことになれば憤死ものの事態が起こることは明白である。


「ヤメロ、マジヤメロ! っていうかその話はもう不参加ってことで済んだことでしょ。」


「やだー!だいたい不参加ってこと事態がおかしな事なのよ。なんで可愛い可愛い甥の晴れ姿の入学式に叔母で保護者で婚約者である私が出席しちゃダメなのよ!」


「ダメに決まってるでしょ!今日は学会の研究発表の予定じゃん。それにただの入学式のどこが晴れ舞台なのさ、第一に婚約者ってなんだ!」


「婚約者は婚約者よ!小さいとき結婚してくれるって言ったじゃない!」


「いつまで昔の話をしているっていうか、半ば無理矢理してきたものでしょ!いつもいつも言ってるけど、そんなの無効だから!」


「やだーーー!絶対結婚するーーー!」


次第に叔母の入学式参加の是非が、いつもの婚約の是非に話がシフトしていったところで、玄関のチャイムが鳴る。


よし予定通り。


叔母を無視し、素早く玄関に行きドアを開けるとそこには、ピチッとした黒のスーツ姿の男女が二人。


一人は女性で茶髪のボブカット、細い切れ長の目をし、スレンダーな体、秘書風の雰囲気がある女性。


もう一人は黒髪短く刈り上げた単髪、鋭い目付きに巌のような顔、スーツからはみ出しそうな筋骨粒々の体つきからそのまんまボディーガードですと主張しているような男性。


そんな二人が玄関の扉の前に立っていた。

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