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訳あり魔女の“娘”  作者: 羽衣千花
箱庭の世界で
3/7

3 私と使い魔2

お待たせしました。

「我が名はサツキ・ヒイラギ。我が創造せしものよ我の前にこの世界に相応しき姿で現れよ!」


魔法陣の前で自分の使い魔の姿を思い浮かべ詠唱すると地面に書いた魔法陣と所定の位置に置いていた水晶が光りだした。

しばらく光り続けてると光の中からそのシルエットが見えた。


「我のために現れしものよ。その名をウィニティーと名付ける。そしてその名に恥じぬ忠誠を我に示せ」


詠唱を終えれば光は少しずつ収まりウィニティーが魔法陣の上に立っていた。


「・・・え?」


その声をあげたのは私なのかそれとも傍にいたお母さんなのかはわからないが・・・取り敢えずこれはだけは言える。


「なんか違う!!」


 ―――――――――――


「なんか違う!!」


そう叫んでから魔力を使いきった(創造型の契約魔法は難度も高いため魔力の消費が半端ない)からなのか自分が創造した俺の姿がイメージと違ったショックからなのかわからんが俺の主人――サツキ様は意識を手放してゆっくり後ろへと倒れていく。


「よっと、あぶねえな」


勿論、地面にその小さな体を勢いよく倒れさせるようなことはしない。背中の真ん中あたりで抱きとめてゆっくりと地面に寝かせる。


 それにしても雪のように白い髪は編みこんで垂れさせ腹のあたりまで伸びている。顔もなかなか整った顔をしていて、さっき一瞬だが見えただけだが輝く黄金の瞳も加われば大人びた美少女の顔が現れるのだろう。しかし頭に生えている髪の毛と同じ白い二つの猫耳がまた違う雰囲気を見せるかもしれない。だが俺個人から言わせれば自分の主人となる人物の容姿とか興味はない。俺をこの世に創造してくれた言わば生みの親だ。それ以上でもそれ以下でもない。例えどんな不細工でもサツキ様のために生きるだけだ。


 だが、サツキ様がこれまでに読んできた小説だと町と呼ばれる場所で美少女の主人公やヒロインに「ナンパ」というものが来るらしい。もしもそんなことが起きたら俺はサツキ様を守らなければならない。

 しかし俺は勿論、サツキ様も本の知識であって実際にそんなことが起きるのかわからない。それにサツキ様は近いうちに外の世界に行くみたいだがサツキ様の容姿が美少女とは限らない。むしろサツキ様よりも美人の生き物が沢山いてこの容姿はその他大勢に埋もれてしまうかもしれない。そうなったら、護衛が楽そうで良いのがどうなるかは外に行かないとわからない。

 

 まあ、サツキ様の外見の心配よりも俺の中で渦巻く一番の疑問はサツキ様が俺を見てショックを受けた理由だ。一応、創造されたときにサツキ様の魔力から知識とか思い出(本人が現時点で覚えているものに限る)に該当される記憶が俺の中にも流れ込んできているからサツキ様が本当は俺にどんな姿を望んでいたのかもわかる。

 だが彼女の思い描いていた使い魔(まあ、俺のことなんだが)の姿は限りなく理想に近い。あえて違う点を出せば体の大きさだろうかどうやらサツキ様は自分と同じくらいのだいたい140CMぐらいの大きさを目指していたらしい・・・実際には立った姿勢で50CMぐらいなんだが。他は流れ込んできた記憶を思い出す限りでは茶色の毛皮に黒のつぶらな瞳、そして立つことなく腹付近まである垂れた耳のロップイヤーをモデルにしたような外見のウサギのぬいぐるみ。そのままである。

 正直な感想を言えば性別を男にしたなら外見をもっと強そうな動物にしてほしかった。


「ウィニティー、サツキは私が運ぶから着いていらっしゃい」

「いえ、この子は俺の主人なのでしょう?だったら主人の体ぐらい使い魔である俺が自力で運ぶので大丈夫ですよ」

「でも、あなたの体格では無理でしょう?引きずってくるなら私が運ぶわよ」

「何が叫ぶほど理想と違ったのかわかりませんが能力は色々充実しているので」


 そう告げてからサツキ様の体を重力魔法で上に浮かばせて彼女の手を引き体を移動させてヒイロ様(サツキ様の母親)の傍に行く。

 本来なら別にひっぱらずとも魔法をかけた時点で移動させることもできるのだが俺はほんの数分前にサツキ様が創造してくださったおかげでこの世界に生まれることが出来た。今はなんとなく彼女の手に触れることで自分の存在を感じていたかった。


「あら、見かけは守られる側っぽいのにそれを覆すほどの能力と保有魔力があるのね。優秀な使い魔みたいでサツキの母親としては嬉しいかぎりね」

「ありがとうございます」

「それじゃあ、私の後についてきて詳しい話は家の中で話しましょう」


 ――――――――――


「イヤアアアァァァァ!!」


 はっ、夢か。なんて酷い悪夢だったんだ。私の大事な大事なムーンラビットちゃんに似せて創造したウィニティーがちっさい毛玉に蹴り飛ばされる夢とか酷すぎる。


「よう、サツキ様」


 目の前に毛玉がいた。そう先ほどムーンラビットちゃんそっくりのウィニティーを蹴り飛ばしたチビである。


 ムーンラビットちゃんはサツキが一番好きな小説に出てくる主人公です。今後、番外編で出てくる予定ですが基本、彼女は本編とはあんまり関係ないです。

 因みにウィニティーとの外見の違いは毛皮の色と瞳の色だけです。


・ウィニティー      明るい茶色の毛皮、真っ黒の瞳

・ムーンラビットちゃん  白い毛皮、薄い紫の瞳

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