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訳あり魔女の“娘”  作者: 羽衣千花
箱庭の世界で
1/7

私とお母さん

すいません。投稿して数日たってから見直したのですが全然面白くないので変えました。


「出来た!!」


何が出来たのか知らないがとても楽しそうなそして嬉しそうな声がお母さんの研究室から響いてきた。

気になって部屋を覗こうと扉に近づけばいきなり扉をバンっと大きな音をたてて開いた。勿論、そこには先ほど部屋の外まで聞こえるほど嬉しそうな声を上げていたお母さんが満面の笑みで立っていた。


「サツキ!遂に遠距離転移魔法陣が完成したのよ!」

「へーあのお母さんが大苦戦してた魔法陣が―――」

「そうなの!見てよこの複雑な術式!大型のものはかなり昔に完成していたんだけどあれは魔力の消費量が半端ないし、でかい割に飛ばせる量が少なかったし、距離も大したことないのよね。それにあの術式だと・・・etc」

「お、お母さんわかったから!その魔法陣のすごさはわかったから!」

「そう?」

「うん!十分伝わったよ!」

「そっか・・・ふふふ、良かったぁ」


よ、良かった・・・あの魔法陣のすごさが途中から全然わからなかったけどこのまま何時間もお母さんの講義を聞いてたら夕方になっちゃうよ。


「うーん」

「どうしたのお母さん?」

「いや、これどうやって届けようかと思って」

「届ける?誰に?」

「友達に」

「え?」

「ん?」

「今なんて言った?」

「どうやって届けようか?」

「いや、ボケなくて良いからそのあとなんて言ったの」

「だから友達」

「友達・・・」

「うん、私の友達にどうやって届けようかって」

「・・・はあああああああああああああああああ!?」

「え!?サ、サツキ?どうしたの?」


ちょっと待って!?今この人なんて言った!?友達?友達!?え、友達いたの!?森の引きこもり魔女のお母さんに友達いたの!?毎日毎日、自分の研究室に閉じこもって魔法の研究か訳のわからない日用品作ってるお母さんに!?たまに外出しても私に魔法を教えるためか研究に必要な材料を取りに行くだけで誰かとあってる気配すら全く無いお母さんに友達いたの!?

・・・へーいたんだ。友達・・・私のお母さんだけどよくこんな変人と友達になれたな。


「サツキ、あんた今ものすごく失礼なこと考えてない?」

「いや、考えてないよ。うん、お母さんに友達いたんだとかよくこんな人と友達になれたなとか全然考えてないよ」

「やっぱり失礼なこと考えてたんじゃない」

「いやいや、考えてない考えてない」

「・・・はあ」


え、ため息つかれたよ。でも、今のはお母さんが悪くない?そんな話全く聞いたことないし、それにこんな小説で出てくるような山脈に囲まれた小さな森の小さな泉の傍に立ってる大木に魔法で中に生活できるように無理やり作った家だよ。誰がこんな辺鄙な場所に来るんだよ。誰も来ないよ!私が山脈の向こう側―――外の世界の住人なら絶対に来ないし。そもそもあの一年中雪が積もってる山脈を越えれる人いるの?


「サツキ、現実に戻ってきなさい」

「え?あ、ああ」

「あんな山脈、魔法を使えば越えられるわよ。それに私が人と会わないのはちゃんと事情があるから。ただの引きこもりじゃないわよ」


考えていることはお見通しのようです・・・


「それよりサツキ」

「何?」

「この魔法陣、私の友達に届けて」

「自分で行けばいいじゃん」

「私はここを離れることが出来ないからサツキに頼んでるのよ」

「なんで離れられないの?」

「内緒」

「・・・わかった。その代わり使い魔契約の魔法を教えてよ。後、外の世界の常識も」

「もっちろん!常識は明日の朝には紙にまとめて渡すから・・・よっと、まずは使い魔契約の魔法ね」


話しながら研究室の乱雑に積み上げられた資料の中から器用に一冊だけを引っこ抜き(ダルマ落としみたいだ)必要な材料もゴソゴソと音をたてながら引っ張り出してきたお母さんの笑顔は私が頼みごとを聞いてくれたからなのかニコニコと嬉しそうな笑顔で私の手をとり、家の外へと連れ出した。

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