第4話 領主様⁉︎
俺はその言葉を聞いた時…
(遂にばれた!テンプレだがどうする?どう攻略する?俺はそんな頭良くないなら分かるわけねぇだろ!)
とかいろいろと考えが頭の中をよぎり次の言葉をどう答えるのかと冷や汗がタラタラと背中や顔を落ちるのを感じていた。
同時にどうしてもっと早くこの事態に対しての対抗策を考えていなかったのかと自分の急な展開について行けない甘さや優柔不断さに対して怒りさえ感じた。
そしてしびれを切らしたのかダンカンさんが…
「どうやらその顔は当たってるみたいだな…
坊主、お前思っている事が顔に出過ぎだお前は交渉には向かなそうだな…ワハハハハ」
「わっ笑いすぎですよ〜」
「すまんすまん。
まぁなんで分かったかと言うと最初はまぁ伝説の勇者の本が召喚された時にされていたとされる珍妙な格好によく似ていたことだな、まずこの国にはそんな格好している奴はいないだろう。
そして次が坊主の名だ確か…京介 拓真だったか?
そんな名前をしている奴はこの世界中探しても限られてるまず家名がある時点で普通じゃないしな。
例えばどんな人がその名を使っているかというとまぁまずは勇者御一行の血を引く家系に多いな後は教会で地位を上げたり何か功績を立てた者が後から名を変えたりするな、代表的なのはそれ位だな」
するとアナさんが
「まだあるわ王族よ、王族はそのような名前を付けたがる傾向にあるから多いわよこの国でもそんな名前」
そしてまたダンカンさんが
「そっそう、王族もあるな、まぁ取って食う訳じゃない、坊主には聞きたいことと伝えなければならない事があるんだがどっちから聞きたいか?」
俺はもうどうにでもなれと思い「じゃあ聞きたいことからで!」
「そうかまぁどっちを選んでも聞きたい方からさせたんだがな」
エッ⁉︎とつい声に出しそうだったがなんとかのみこみ
「聞きたい事ってのはいくつかあってだなまず坊主は誰によってここに来たかだ」
「んー残念ながらわからないです。
ここにはいきなり壁に空いた穴に吸い込まれる形で来たので…後っ来た場所には誰も居ませんでした」
「そうか…分かったじゃあ次だお前のいた世界についてだ、いた世界の名前、いた国の名前そしてその国が
こことどんな違いがあるのか今迄で思い出せる限りでいい違和感でもいいから言ってくれ」
「まずは俺の居た世界の名前からですね、世界の名前は地球といいます」
「っ!」
「そして俺のいた国は日本といいますまぁ違いと言えばまず挙げるとすればこの部屋に来るまでいろいろな所で悪臭が酷かったりしたんですが日本は便所であってもよっぽど汚い所でない限り臭さはそれ程しないです。
後日本で凄い所と言えば衛生ですね、日本は包帯や消毒薬が安く大量に手に入りますから清潔ですしベッドや壁、床のシミや匂いはよく落とせます。
さらに日本はとても食文化が発達していてたくさんの種類の飲食が高い水準でできます。
まぁ日本は世界的にみてもかなり発達してますから様々な分野で凄いですよ」
俺は思い出せる限り日本の良さを言いふぅ…と一息ついてダンカンさんのほうを見ると、泣いていた…
ビクッ「どっどうしたんですかダンカンさん?」
「ここから先は私が説明致しましょう。
実を言うとまだ黙っていた事がありまして、ここにいるダンカン様はこのアインブルクを治める領主なのです」
(………えっ!え〜〜!!!)
と俺は驚きのあまり心の中で絶叫した。
「もともとダンカン様は子供の頃から勇者御一行に関して出された本が大好きで見つけては買い漁りよく読んでおられまして、その物語で出てきた日本という夢のような国のことを知りました。
が、しかしその日本についてはこの世界の様々な国で存在が隠されておりまして、何故かと言うとこの王国は勿論のこと様々な国では分権的封建制度というものまぁこの言葉自体はそのダンカン様がある伝で偶然にも手に入れた本に書かれていたので使わせて頂きますその制度についていいます。
具体的にはまず国がありその国を治めているのが貴族ですその貴族の中のトップが王族であり次に大公、公爵 、侯爵、辺境伯、伯爵、子爵、男爵と続いてます日本でいいます国民は存在せずこの王国では臣民となっていて各領主ごとの領民で所有物です。
さらに領民には日本で言う基本的人権というものが全く認められていません、したがって生かすも、殺すも何をするのも領主の勝手という訳で御座います。
ここまでが前提でその隠された事実を知ったダンカン様は自分の出来る限りのことをしようと努力をなされ始めました、しかしこの王国の各領主ごとが定める法や税などを余りにも変えすぎると孤立してままならなくなりますので苦労して参りました。