第47話 異世界に来て初めての港町! ①
(女子って絶対準備にかかる時間が長いんだよな〜!家でも出かける時だって妹と母さんの両方共いつも出られるまでかなりかかってるし…
さて…どうするかな?)
一方…
「ふふん、ふんふんふん♪…」
リゼの方はとても上機嫌に軽くスキップをして歩いていた。
「ふふ…(久しぶりに煩くてイライラする奴から離れられるわね〜!やった〜!
どうせ護衛って言っても〜京介1人だけだし〜、楽勝よね〜
そ、れ、に何たってあの見たこともない美味しい
お菓子や料理を出してくれる優しいあいつなら…)
「グフフ…」
(一体…どのぐらい楽しめるかしらね〜!)
そしてまた一方…
「困ったわね〜!言ってみたわいいものの…
まずオシャレする服がない!それにアクセサリーも…うーこれで一体どうしたら…」
(エリンダの場合魔法具オタクともいうべきロッテほどではないが多少とても高い自分にあっていたり性能が気に入った物を幾つも買っていて更にとても高価な防具や魔法具に使用する為の魔石を買ったりしている、つまりお金持ちであるが…リゼとは違うお金の使い方をしているのである)
「本当にどうしたら…そうだわ!
いやっ、でも私としてはそれではプライドが…
くっ!でもこの時ばかりは仕方がない!
誰か他の人に貸してもらいましょう。
えーと…私がこの城の中で知っている女性でサイズが
合いそうなのは………いない⁉︎
おっ…おわった…これじゃあリゼに対抗する為の服がない…どうすれば…」
(エリンダは久しぶりの敗北感を感じながら
部屋に散らばったローブ、魔物の皮でできた靴など
の防具、そして強化や補助の魔法が発動する魔法具の
無難なアクセサリー、そして杖や指輪、腕輪、などの主に攻撃用の魔法具がある所に伏していた…
さぁ!このピンチ?をどうやって乗り切るのか!)
そして戻って主人公はというと…
「はぁ…どうしよっ…
(別に先に行ってもなぁ〜そんなに早くから
行って庭にある花や木を見ているのもあんまり性に合わないしな)
そんなことを考えながら京介はまだ闘技場?のような場所にいた。
そこではまだ治療、壊れた箇所の修復を行っていた。
「そうだ!思い出したそういえばアランさんが
港町に行くんだったらある物を持って行って交換して欲しいって言ってたなぁ…
それなら今から商業ギルドにまた行ってみるかな?
よしっ!そうしよう!時間も多分ありそうだからなぁ、よし!行くか!空間転移!」
シュン!…
「よしっ、商業ギルドの前に無事転移できたな!
えーと…」
ギイッ………ジー
商業ギルドの中に入ると前に入った時のように
こちらをジーっと見てくる人が結構いた。
「あらあら、またあんた来たの?」
「はいっ!、今アランさんはどうしてますか?」
「ギルドマスターは今は忙しいよ、会いに来たんなら帰った帰った!」
ゴンッ!
「痛っ!…誰よ!私のか弱い頭を叩いたのは!
ってえー!先代⁉︎」
「何が先代⁉︎だい?
はぁ…またあんたは何やってるんだい?」
「ええ…と…
現ギルマスのアラン様が先代であるマーガレット様と
大事な話をしているそうだったので、こうやって尋ねに来たクソガキを追い出そうとしていました!」
「はぁ…わかった、もういいよ
持ち場に戻りな」
「え?…」
「早く戻りなって言ってるんだよ!」
「はっはい!」ダダダダ…
「すまんねぇ…ウチのギルドのバカがとんだ迷惑をかけたみたいで」
「いえいえ、確かに困ってはいましたけどちゃんと
仕事をしていた訳ですし、忙しい時間帯に来た俺がいけないだけですよ」
「そうか、ならカレンを後で叱るのは優しめにしとこうかねぇ…」
「はい、そうしてあげてください
(え?、この話の流れ的に無しにならないの?
もしかしてマーガレットさんカレンさんを叱るので
ストレスを発散してるんじゃあ…)」
「それで?ウチの息子に何の用だい?」
「あれ?俺マーガレットさんにいいましたっけ?」
「カレンとあんたが話してるのが聞こえてたんだよ
」
「そうなんですか…(まぁよくある地獄耳ってヤツかな?
用事っていうのはですね、アランさんが言っていた港街に行ってみようと思うので、アランさんが言っていた持って行った方がいい物を取りに来ました」
「あんた!もう行くのかい?」
「はい!」
「そうかいそうかい!若いってのはいいねぇ!
アランは今ちょっと手が離せないから、私がその物を
渡してあげるよ」
「いいんですか?忙しいんじゃ…」
「何年この仕事をしてきたと思う?
もう慣れすぎてるから本気を出せばすぐだよすぐ!」
「そうですか?それならお願いします!
(どんな早さだよ…)」
「それで?何を買いに行くんだい?」
「?どういうことですか?」
「えっ?買いに行く物は決めたんだろう?」
「いいえ…決めてませんけど…」
「そうなのかい⁉︎…あんた目利きはきくのかい?」
「ききません!」
「そうかいそうかい!ならあの子を連れて行くといい」
「あの子?」
「そうあの子、カレン!カレ〜ン!コッチに来な!」
「はいはーい、先代!何か御用でしょうか?」
「ああ、カレンあんたこの子について港街まで行ってやんな」
「ハァ?私がですか?なんで…いっいえ!喜んでこのカレン!行かさせていただきます」
「(うわ〜こわっ!マーガレットさん一睨みだよ…)
ありがとうございます!カレンさん!
どうぞよろしく!」
「はっはい!こちらこそどうぞよろしく…って!
勘違いしないでよね!別にあんたの為に行くんじゃないんだから‼︎」
「(ツンデレ?)マーガレットさん」
「なんだい?」
「なんでカレンさんを連れて行くんですか?」
「ああ、それはねぇこの子は私に似て目利きがとても上手いからねぇ!それに外では頑固だから交渉には
うってつけだよ!」
「はっ恥ずかしいですから頑固とか言わないで下さいよ!先代!」
「ハハハ…すまないねぇ!
それであんたが港街に持って行くだろう物は
ウチの倉庫にあるだろうから一緒に来るかい?」
「はいっ!見てみたいのでご一緒させていただきます!」
「ハハハ!元気があってよろしい!
カレン!あんたもついて来な!」
「ええ〜…私あそこは苦手なんですけど…」
「甘ったれるんじゃないよ!
さっさと来な!」
「…ハァ、わかりました」
俺たちが歩いてきた場所はここ商業ギルド支部がある
真下、地下にある保存庫だった。
「結構冷えてますね…」
「だろう?これは私と夫と息子の3人で見つけて、作った特製の倉庫なんだ!」
「そうなんですか!凄いですね!」
「そうだろうそうだろう!」
「はぁ…所であんたはこの倉庫が凄いって言うけど
何が凄いと思うんだい?」
「?カレンさんそれはどういうことですか?」
「素直に何が凄いと思ったのかを答えればいいのよ!」
「えーと…まずこの地下に倉庫を作っていることですね!普通だったら地下に作らないでしょ?」
「それは…どうなの?」
「ええ⁇」
「はぁカレンあんたはもう少し勉強しなさい」
「す、すいません」
「京介君、普通倉庫はねぇ、場合にもよるけど
京介君の言った通り地面の上に作ることが多いよ。
ただし、宝石商なんかの店舗だと地下に作ることも多々あるからその辺は知っておいて損はないだろうよ」
「ありがとうございます!マーガレットさん!
後は…特にないですかね」
「あんたは何言ってるのよ!重要な、普通じゃありえないところがあるでしょう⁉︎」
「カレン?」
「すっ、すいません先代…つい…熱くなって」
「まぁいいよ、京介君、君は今…身体の調子はどうだい?」
「身体の調子ですか?
どうって…少しだるいかな?」
「ほう…何でだるいんだい?」
「なんでって…この地下倉庫が結構涼しいからですよ」
「そう!それよ!」
「へっ?」
「その涼しいのが凄いって言ってるのよ!」
「涼しいのが凄いんですか?」
「あったりまえじゃない!」
ゴンッ!、ゴンッ!
「イッターイ!先代!痛いですよー!
2度も殴らなくても、いいじゃないですか〜」
「あんたはこれくらいが丁度いいんだよ。
1発目がこの場を長くしたバツ
2発目がここを作ったのがあんたじゃなくて
私とアランと夫の3人なのにさも
自分が作ったの如く偉そうな顔をしてたバツだよ」
「うー…」
「ははは…」




