猫のクリスマスソング
『あー、今日も誰もこなかったよ』
と、少女は愚痴っています
今日はクリスマス・イヴ
この、世界の果てにあると言われる図書館にも、当然やってきます
でも、今日は、というか、普段からなんですが、本を借りたり、閲覧する人は一人も来ていません
さて、積もった雪を除雪していると、彼女の唯一の話相手である、猫が近寄ってきました
『寒いの?ちょうど終ったから、お入り』
さて、暖かい屋内で、猫を膝に乗っけながら、誰も来ないので本を読んでいると、猫がにゃーと鳴き始めました
しばらくすると、なんだか猫の鳴き声が、歌を、しかもクリスマスの歌を、歌っているように聞こえました
『…ありがとうね』
彼女は寂しげに笑いながら、猫を撫でました
『今年は、一人じゃないね』
クリスマスは一人で寂しいという怨念で書きました