三人称?視点
今回は三人称的な視点となります!
そして完結となります!ここまで読んでくれた方ありがとうございます(^-^)
男は女を見下ろし、銃を突きつける。
女は男を見上げ、銃を突きつけられる。
近くて遠い、二人の瞳が重なった。
男と女はいつも共にいた。
心と体は近く、想いだけは遠いところに。
互いの想いを知らぬまま、二人は終焉を知る。
「何か遺言ぐれぇは言わせてやる」
奇妙な静寂の中、男が女に問う。
答えはない。
女は俯き、肩を震わせる。
男は固く目を閉じ、銃を持つ手を震わせる。
やがて、再び二人の瞳が重なった。
女の頬を涙が伝い、それでも顔には満面の笑みが浮かぶ。
男は目を見開き、そして悲痛に顔を歪ませる。
「 ――――― 」
銃声が鳴り響き、女が紅く染まり倒れ込む。
男は膝をつき、倒れた女を抱き起こす。
女を強く抱きしめる男の頬を、静かに涙が伝った。
「あぁ、――――――――― 」
再び銃声が響き、男が紅に沈む。
二人から流れる色は、混ざり合い、一つになっていった。
あの日、二人は誓った。
女は守れないことを知りながら、男を支え、護ることを。
男は生涯、同じ道を歩むため長く生き、共に在ることを。
それは、互いの支えであり、想いであり、絆であり、願いだった。
巡り、出逢う度に誓うのだろう。
同じ道を最期まで共に歩けるように。
全てを紅く染める銃声がもう響かぬように。
永久に守れぬ誓いを、守るために―――
「愛してる」
「あぁ、俺も愛してる」
お付き合い頂きありがとうございましたヾ(o´▽`)ノ