男視点
今回は登場人物の二人の内、男の方の視点となります!
手に持つ銃を突きつける。
突きつけている相手は誰よりも愛しい女。
黒く濡れた瞳が俺を見上げ、映す。
何故こうなったのかはわからない。
気がついた時にはもう遅かった。
俺にできることは、裏切り者のこいつを、せめて俺の手で葬ってやること。
「何か遺言ぐれぇは言わせてやる」
言いたくも無い言葉が口から滑り落ちる。
殺したくない。
失いたくない。
ただ、それだけが胸を占める。
まだ何も伝えていないのに、なぜ殺さねばならない?
俺の中で何かが壊れ始めた時、お前は言った。
今までにない笑顔で笑いながら。
「 ――――― 」
鳴り響く銃声が、全てを紅く染めた――
あの日、お前と誓った。
だが、お前はその誓いを守らずに逝ってしまった。
あの誓いは俺とお前の確かな絆。
お前は守ることはできないとわかっていたんだろうな。
それでも俺は何度でもお前に誓うのだろう。
『私は、貴方が死ぬその最期の時まで、貴方の傍で貴方を支え、護ることを誓ってあげる』
『ならば俺は、せいぜい長生きして、お前を一生こき使ってやることを誓ってやろう』
次は三人称(のようなもの?)となります。