金砂神社大祭
いろんなところを旅したけれど、一般的な視点でレアな旅は、これかなぁと思う。
2003年3月に行われた茨城県金砂郷の東西金砂神社大祭。
この祭事は72年に1回(未年)というとても長いスパンで「二度見る者は稀である」と言われている。
あと、この祭事の代の神主さんは平時の神主さんより位階が高くなる扱いらしい。
この度は3月22日〜31日という長い日程で、金砂郷から日立市の海辺まで練り歩く。ただし、バスや車が大活躍。当日現地集合、予定の行程終了後、現地解散また明日とする。昔だと最初から最後まで帰ることなく野宿もあったらしい。
23日の新聞記事を読んで、たまたま翌日24日が休みだったので、行き当たりばったり下調べ無しで行くことにする。ふらり新宿まで出ると、常陸太田行き臨時バスがあり、これ幸いと乗り込む。
無事若宮神社近辺にたどり着いて行列が来るのを待つ。結構な人出がありびっくり。ただし、地元の人を除くと年配の人が多かった。それとプロ&アマチュアカメラマン。御神酒をいただきいい気分のうちに行列を観る。10時半頃かなぁ。まずは警察の車、自衛隊の車、救急車、民間警備の車、それにバス2台。それからやっと吹流し持ちが来る。紋付き袴、上下袴の人、緑の紋いり水干姿の雅楽奏者、その他諸々。白の水干姿は高校生か大学生の若手で下がジーンズや赤のウールチェックのズボンを履いていて、今風だなぁと微笑ましい。そうして賽銭箱や榊、幟を運んだり、馬の轡取りをしたりと見るからに下っ端仕事をさせられている。袴の方はいい歳した爺さんばかりで、仕事の一線は退いたが家長でございという人か。
行列中で馬に乗った人は4人。初めは、雅楽奏者の長、次とその次は辺りの郷士の若さん。高校生くらいと小学高学年くらいかな。馬の尻に垂れ幕がかかり家名が書いてあった。いっとう最後が神主さん。赤紫の水干姿でちょっと痩せた葦毛の牝馬に乗っている。若さんの栗毛馬の方が立派に見えた…。
あと記憶に残っているのは天狗面の2人と猿面の3人。顔は隠れているけど、たぶん全員若いと思う。
天狗面の1人は慣れないと歩き難い高下駄だったし、猿面の人はひょうきんにあちらこちらうろついては人の手に触れ、福を授けている。
昼を挟んで2時頃まで4回行列をあちらこちらで観る。この日は行列行程でも一番の見せ所で、500人という大行列だった。日によってはもっと人が少ないらしい。
いい天気に恵まれた、祭り日和。大満足で帰りのバスに乗り込んだ。残念なことに往復記念乗車券は綺麗な作りなのに、回収されて手元に残らなかった。なので、記念として持っていたかった人からクレームが出ていたけど、どう対応したんだろうか?