2007年7月八ケ岳
珍しい山の会例会の日記記載文(ほんの、ちょっぴり)と、会報にK氏が寄稿した文(超、詳しい)から合成してみる。
20〜22日十数年ぶりに山の会として八ケ岳に登る。前回の参加メンバーで今回も参加していたのは私とMO氏のみ。つくづく歳を取ったと感じた。
20日は余裕を持って移動だけで終わる。茅野駅での待ち合わせまで時間が少し余るので、私の我が儘な下心もあり、高速バスを下諏訪で途中下車して、下諏訪の秋宮さんに全員で山の無事を祈った。ちゃっかり秋宮さん脇にある新鶴で塩ようかん、駅前の和菓子屋さんでかりん饅頭をGet。関西に転勤で戻ってからこっち方面に行けなかったので、とっても得した気分になる(K氏の文章にはようかん、饅頭の記載無し)。
本日の宿はMI氏ご紹介の唐沢鉱泉宿でなかなか良い所だった。茅野駅からマイクロバスでの送迎があり、途中、ところのじっちゃんばっちゃんを拾いつつ宿へ。移動途中に十五社前というバス停があり、その辺りは見るからにパワースポットで、下り落ちる小さな滝つ瀬が目を引いた。ここで迎えの人待ちということで、時間待ちの間に大急ぎでお社にお詣りしたが、シンとした謐けさが心地良く、一人で来ていたらゆっくりとしていたいと思う、そんな所だった。
早めに温泉にゆっくり浸かり明日に備えて英気を養う。夕食にはMI氏の計らいでオプションに鹿刺しが付く。思ったより食べやすい。
21日大変な一日になった。食事をして6時出発というところから出遅れているのだけれど、皆調子が悪いのか荷物が重いからなのか休んでばかりで、ちっとも前へ行かない。時間オーバーはいつもの事だけれど、空模様がずっと曇りで視界も良くないという鬱屈感からかなり心配。
西尾根筋の西天狗岳に到着したのが、10時頃。晴れていれば正面に東天狗や南に八ケ岳のの主峰が登山道で繋がっているのが見えるはず。残念。
岩がゴロゴロしているガレ場状の道を○印や→印のペイントに沿って下り、また登り直す。東天狗岳到着10:25。眺望が望め無く、根石岳へとそのまま向かう。ガレ場が続く。根石岳到着11:00。証拠写真を撮って箕冠山へ。砂礫の尾根筋に可愛らしいコマクサの群落を見る。
霧の為、高度、方角、時間の感覚が鈍くなっている中、緩やかな針葉樹林帯を下り夏沢峠に到着したのが12時頃。ここでお昼ご飯をいただく。行程表から小一時間遅れているので、休憩もそこそこに出発。
長く急な登りで、前半の樹林帯を抜けてからは砂礫の急斜面となる。ハイマツ帯を抜けると広く緩やかな稜線に出る。霧だと迷いやすいルートなので、目印としてケルンが築かれている。ケルンに導かれ硫黄岳山頂に辿り着く。晴れていれば爆裂火口の雄大な景色が眺められたのに残念。小休憩後、またケルンに導かれて道を下る。鞍部にある硫黄岳山荘到着14:05。この辺り一帯は高山植物の宝庫でたくさんの花を見ることが出来た。黄色のツクモグサ、紫のチシマギキョウやオヤマノエンドウ、白いチョウノスケソウ、華奢なオサバグサ、シモツケソウ等々。
大ダルミを登り切ると台座の頭だ。本日のハイライト(?)はこれから。山容は一変、ゴツゴツした溶岩の岩場の上、高低差のある悪路で鎖や梯子の難所が繰り返し幾度も続く。私も体力が落ち貧血気味の為、自分のペースで歩けないことで予想以上に疲れてくる。鎖場続きで皆疲れており、移動に凄く時間がかかる。向こうからの行き合いが無くて幸いだったが、もの凄くハラハライライラしたなあ。
横岳奥の院到着15:20。三叉峰到着15:50。ここからさらに悪路の長い下りを見通しの悪い霧の中を歩く。K氏はルートファインディングが苦手な為、ずいぶんと心配しながら先頭を歩いていたようだ。私的には日記に何も記載が無かったので、道ははっきりとして迷い様が無かったものと。
赤い頭巾と腹巻きを付けたお地蔵さんが鎮座される地蔵の頭に到着。ここからほんの少し先に今夜の宿、赤岳展望荘だ。到着17:15。行程表から一時間半の遅れだった。到着が遅かったけれど、あらかじめMI氏による予約手配があった為、雑魚寝で無く個室利用でゆったり。さらにはお風呂が用意されておりびっくり。予想外に大きな五右衛門風呂で汗と疲れを流す。夕食は洋風バイキングで三々五々好きなものをいただく。男性陣は冷えたビールを張り込み、お疲れ様をしている。この夜は消灯時間を待つまでも無く寝落ち。
22日4:20頃起床。荷物整理。窓の外は霧だ。5:30バイキング形式の朝食。山荘に荷物を置いて赤岳を往復とし、阿弥陀岳経由のルートは今回割愛とする。荷物が無くので足取りかろく、頂上を目指す。なんと、途中の休憩ポイントでブロッケン現象に出会う。手を振ると、白く霞んだ中から同じように影が手を振る。みんなではしゃいでいろんなポーズを取ってみる。おもしろい。これだけは晴天で無くて良かったと言えるかな。
赤岳頂上6:40。祠にお詣りした後、周りを眺める。なんと一部霧が晴れ、南アルプスから富士山までが雲海の上に浮かんで見える。残念ながら、昨日登ってきた北側は霧で展望出来なかった。赤岳登頂の証拠写真を撮った後、名残惜しいが山荘へ下る。
荷物を背負って赤岳展望荘を7:30出立。昨日歩いた地蔵の頭から左に折れ、地蔵尾根コースを辿る。前半岩尾根の急降下、鎖、梯子の連続になるけれど、まだ朝早く元気一杯なので、昨日の体たらくにはならない。樹林帯に入り、水場のある行者小屋到着9:05。ここで水の補給を行い、お昼用の五目ご飯のアルファ米にも水を入れておく。
南沢に沿って下って行く。小さな渓流が徐々に水を集めて大きくかつ急になっていくのを見ながら、右に左に渡り美濃戸山荘に到着11:10。準備していた五目ご飯を食べる。男性陣は山荘で冷えたビールを調達し、ご機嫌だ。
下山を再開。途中、3段に落ちる滝の横でオゾン浴をしながら珈琲タイムだ。持参したハーブティーとインスタント珈琲を入れ、各自好きな方をいただく。湯を多く沸かし過ぎた為、通りすがりの登山者にも振るまう。大休憩の後、道端の花なぞ鑑賞しながらバス停美濃戸口・八ケ岳山荘に到着12:30。
早速、お風呂に入り汗と疲れを洗い流す。用意の着替えをしてすっきりしたら、茅野駅行きバスの時間まで生ビールでお疲れ様の小宴会。昨日の苦闘も話の種になり、話題は尽きない。今回不参加の方から差し入れでいただいていた(厳重に冷蔵パックされていた)馬刺しが肴だ。本当なら昨日の夜の宴会の肴だったろうが、流石に疲れて無理だったので、流れて下山後の今になっている。担いでくれた方、ご苦労様です。