1990年5月横浜山手逍遥
10日〜12日の3連休を東京から横浜へと移動が多いけれど、目一杯楽しめたと思う。計画性ほとんど無しの行き当たりばったりのええかげんな旅。メジャーな観光地でない所を彷徨く愉しさ。クセになりそうだ。
9日難波発の夜行バスに乗るべく仕事を終えた夜も遅い時間難波へ。飲んだ後の〆に使われる金龍ラーメンで、時間待ちを兼ねた夜食のラーメンを食べる。呑み助御用達の金龍ラーメン。呑み会の後、食べたいと思えどお腹の空き具合が悪く食べたことが無かった。500円と安くて美味しい。
10日朝6時東京駅着。どこかでモーニングを食べようと思うも、ざっと見た限り店が営業してない。仕方ないので上野公園まで移動して美術館の開館時間まで暇つぶしにぶらり歩こうと考える。
上野公園に着いて驚いたのは、どこからかスポーツウェア姿の年配の方々がどこからともなく中央か広場に集まってくる光景。ランニング、ジョギング、ウォーキング、ストレッチ…思い思いに集まっていく。公園をうろちょろしながら、そんな自発的集まりに参加する方々に元気だなぁと感心する。そう言えば、民謡や太極拳の稽古をしているグループもあった。年寄りはバカに出来んパワーを持っている…。
そして7時前にラジオ体操が始まった。今時、いい歳した大人がラジオ体操だ?でも本当の話。ラジオ体操が終わると、皆三々五々帰途に着く。
代わって通勤・通学風の人が現れ始める。朝の散歩をする人もちらほら。泊まりがけの出張らしきビジネスマンは所在なげにベンチに座り朝刊を読んでいる。眺めていると興味が尽きない。ただ、観察されている彼等は私のことを胡散臭く思ったことだろう。朝っぱらから公園ベンチに暇そうに座っている女性…。
この日美術館を全部で五つハシゴ。これは多すぎた。終いにはウンザリして何も感じたり考えたりしたくなくなってしまった。
11日は朝7時にビジネスホテルをチェックアウトして、横浜の山手辺りを当ても無く歩きまわった。おもしろい。坂あり、階段あり、細い路地あり、花あり、緑あり、建物も手間暇かけて建てられた趣きあるものが多い、となれば、ね。神戸の山手に似てるなぁと思う。ただ、神戸は後ろに六甲山があるからなんというか圧迫感がそれとなく漂っているような気がする。横浜の山手はそれがないからより開けた感があって、歩いていて愉しい。そこここで時期の雑草の花、ヒメジョオンとドクダミの白い花を目にする。
結局、本牧近くの大通りに出て、そこからバスで三溪園へ移動する。三溪園はなかなか良かった。風流とアウトドアの両方ともが楽しめ、一年中、どこかここかで、ぼーっとしていられる。また季節を変えて訪れてみたい。
この後、移動して山下公園から港の見える公園、元町、中華街と歩く。横浜中華街は凄い!一面の中華料理屋、迷って迷って、迷い倒しても足りないくらい店がある。神戸元町中華街なぞ目じゃないくらいの広さがある。また今度食べ歩きしてみたいが、並ぶのは嫌だなぁ…。
12日佐藤さとるさんの小説に出てくる、安針塚より大楠山へ登って前田橋まで出て、バスで三崎口へ…。なんか脈絡ないおもしろいハイキングだったな。途中、木いちごを食べたり、木々を眺めたり、山の持つ静けさを聴いてみたり。こんな場所が誰も知らない小さな国などの舞台になったのかなぁと思ってみたり。
三崎口から渋谷まで電車で直行。もったいないことにずっと寝くたれていた。せめて横浜までは起きて車窓からの眺めをチェックしていたかったな。
夜行バスの乗車時間まで渋谷でロフトやPARCOを回ってみる。興味深いものもあるけれど、人混みに疲れた。どうしても、都会は性に合わないなぁ。
一日目に行った美術館、国立西洋美術館、都立美術館、上野の森美術館、渋谷Bunkamuraミュージアム、あと一つはどこだろう?日記に美術館名の記載無く、当時の行動から推測するも特定出来ないし、記憶はさっぱりだ。