2005年11月三輪山登拝
13日前日夜行バスで奈良へ移動。着いたその足で三輪駅まで移動する。
先日の敗者復活戦ということで、三輪山に登る。三輪山登拝は狭井神社にて朝9時から受付ということで、それまでの時間を大神神社を始めとして、辺りの摂社にも詣でる。
受付開始時間となり、狭井神社に詣でた後、登拝の申し込みをする。所定の事項を記入して登拝料を支払うと白いタスキを渡される。お山に居る間は必ずこのタスキを肩からかけておかなければならない。登拝口の注連縄に一礼をして登り始める。1時間ほどで頂上に到着。お社に詣でたら、休憩しておやつタイム。神体山の為、信仰に熱心な方もそれなりにおいでで、大祓の祝詞を唱える方がいれば、般若心経を唱える方もいる。日曜日である為、どんどん人が増えてくる。ゆっくり出来ないけれど仕方ない。サクサク来た道を引き返して行く。往復2時間くらい。登拝口まで戻ると、一礼をして受付にタスキを返却する。再度、狭井神社拝殿に詣でた後、ご神水をいただいて神社を後にする。
昼に少し早いけれど、大神神社鳥居近くにあるお店でにゅうめんをいただく。
エネルギーチャージしたら、山の辺の道を北へと歩いて行く。この道はお気に入りで何度も歩いている。ただし、今日は日曜日、それも薄曇りの暖かい日、色づき出した木々、とくると私が考えもしていなかった、大層な人出だった。山の辺の道は然程広くない道なのに年寄り軍団が横行しており、平日(特に寒い冬から春先)の人気の無さを恋しく思いつつ歩く。さすがに六甲山の徳川道のような混雑まではいかないけれど。
それにしても、やはり奈良は良い。昔はもっと景観も良かったのだろう。檜原神社に着いて詣でる。ここは神殿も拝殿も無く、三輪山を御神体としてお祀りする原始神道そのものの有り様を今も守っている。本当に必要なものしかないので、非常にシンプルな境内となっており、それ故にほっとする。
神社前のお茶屋さんで休憩をする。いつもは人の姿を見たこと無いのに、日曜日だからけっこう人が入っている。甘酒をいただく。
檜原神社から西に少し歩いた所に溜池が二つ並んである。ここから西に二上山が空の端に立つ。見晴かす平野に目をやると、灰色の家々が続き、極たまに濃緑色のアクセントが添えられている。靄にかすみつつ佇む二上山が美しいだけに残念だ。その昔は反対に、一面の緑の原に点々と住居が点在していたのだろう。自分だけの空想なのに、とても懐かしい光景に思えた。もう、これ以上、人も家も増えないで欲しいと願うのは自分勝手だろうか。
この後、奈良へ移動して、東大寺二月堂から夕日を道ようと待ち構えていたが、あいにくの雲でダメだった。しょうかたなしに黄昏れの奈良公園をひっそりと歩く。鹿達もおやすみタイムに入ろうとしていて、暗がりのあちこちで草原に脚を畳んで座っている。時折り放たれる鳴き声が、黄葉、紅葉、黄昏れ、月光という要素と相まって「あわれ」を催す。
百人一首の歌をつい吟じてしまう。
奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき
現在、三輪山登拝の受付時間は9時から12時まで。昔はもっと遅くまで受付していたのに、短くなってしまっている。登山ブームやパワースポットブームでいろんなトラブルがあったんだろうなぁと推察する。
檜原神社はとても由緒ある元伊勢として有名。