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1999年5月四国剣山

25日仕事を終えてから、明石大橋経由で徳島へバスで移動。そこからJR徳島線で貞光駅まで移動する。終電まで待機し、貞光駅のベンチで寝袋を広げて寝る。駅は一晩中灯がついており、おまけにツバメが一つある巣を巡って縄張り争いをしていて姦しく、あまりよく眠れずにおわる。

26日朝4時半、ツバメの声で起床。驚いたことに、当番で地域の方が朝5時から3人掃除に来られた。邪魔にならぬところで朝ご飯。5時56分発のバスで剣橋へ。乗客は私を入れてたったの2人。7時頃から歩き始める。寝袋やコッヘル、食料、水などいつもより荷物が多いのでゆっくりしたペースだ。つづらのお堂に7時半。ここから山道に入ったが、ちょっと歩いたところでそこに住んでいるおばあさん(90歳を越しているらしい)に出会い、昔話を聞く。

かなりゆっくりと休みを入れつつ登り、お亀池に着いたのが11時前。池にはおたまがたくさん泳いでいたが、人影にも逃げない。食べに来る鳥がいないからだろう。不思議なことにほとんどのおたまが右から左への方向へ泳いでいく。ひねくれものが反対へ泳いでいるが、ほんの僅かだ。

11時半リフト乗り場に到着。剣神社にお詣りし、再び頂上目指して登り始める。大剣神社に着いたのが14時頃か。剣山頂上着14時半。あまり頂上着の感動無く15時には次に向かって歩き始める。次郎笈頂上16時。この辺りから雨が降り出す。一面の笹原の中をパタパタ笹の葉に落ちる雨音に包まれて歩く。視界を遮る木が無いから見晴らしは抜群にいい。東大台を歩いている気分になる。18時頃丸山小屋に到着。雨が休みなく降り続けている。小屋は四畳半くらいの大きさだったがなかなかしっかりした作りだった。入り口付近で夕食を取る。

たった一人山の上で雨の夕暮れ…はかなり寂びしい。夏至が近いから19時を過ぎてもまだ明るいのが救いか。雨の音を聴きながら眠ったけれど、その夜は一晩中凄い風と雨が続いた。なんで知っているかというと、時々目が覚めたのと、帰って来てから人の話で聞いた話からだ。

27日朝4時起床。はや外は薄ぼんやりと明らんできているが、依然として雨が降っている。朝ご飯を作って食べていると、雨が土砂降りになる。5時半には出ようとしていたが、雨があんまり酷いので、しばし様子見することにする。このまま土砂降りが続くんであれば、手前の道をエスケープして奥祖谷へ下り、今晩は下で温泉に浸かるか…。はたまた白髪小屋か三嶺辺りまで歩いて、まだ酷い雨降りだったらエスケープして名頃に出るか。思案している内に雨が小降りになったので、思いきって歩き初める。

かなり風が強く、ガスが凄い。四国一のパノラマ道のはずが、てんで何も見えない。ただ…ほんのたまにガスが切れ、遥か向こうまで視界が開けるととても美しい光景がそこにあった。早緑と雲のダイナミックなダンス…はずっと観ていても飽きない。あっという間に雲が山腹を駆け上ってきて、辺りを再び覆ってしまうのはとても残念だ。

晴れていれば三嶺頂上からの光景は素晴らしいものだったろうが、強い風とガスで今ひとつだったなぁ。

お亀岩小屋は大層立派なものだった。ストーブがある無人小屋なんて凄いね。この日もやはり小屋には私一人。小屋にあった雑記帳を徒然なるままに目を通す。20時頃外へ出ると、月が薄ぼんやり山々を照らしており、辺り一面ぼんやりとして見えた。

丸石小屋発6:15 高瀬頂上7:15 白髪小屋9:45 三嶺頂上12:30着 14:20発 西熊山頂上15:50 お亀岩小屋16:20 いざり峠16:50 天狗塚17:05 お亀岩小屋18:00

28日4時起床。5時半出発。今日は帰らねばならない。昨日空荷でいざり峠までかなりいいスピードで歩いたが、荷物を持つととたんに遅くなる。いざり峠6:10。久保9時頃着。かなり急な道をてってと下りたので、予想より早く着いてしまった。下る途中、廃屋を見かける。無人になってだいぶ経つようで人が住もうとしても住めない状態だった。酷く印象に残ったのは壊れた洗濯機があったことだ。ここまでどうやって持って上がってきたのだろうか。

バスの便が昼の13時まで無いので歩いて行くことにする。京上に着いたのが10時半頃。奥祖谷で村営の博物館みたいなところで祖谷の赤旗のレプリカを見る。本物は門外不出で、滅多なことでは見ることが出来ないのとのこと。この辺りは温泉が多いのか、大歩危温泉に浸かり3日分の汗を流す。時間があるので大歩危峡観光遊覧船に話の種に乗ってみる。この後、先にあるかずら橋を渡る。

祖谷渓を阿波池田まで走るバスに乗って北上。有名な小便小僧は横目にちらりと見るだけ。

阿波池田からJRに乗り、瀬戸大橋経由で帰宅する。

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