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1-5

「一体何を……」

 エーデルの謎の行動に少しおろおろとしながらルビィは慌ててハンカチを取り出す。そしてエーデルの血が滲む指先をルビィはハンカチで包みこんだ。

「すまない。だがこれで証明ができるはずだ。ルビィ、魔石の使い方はわかるか?」

「魔石ですか? いえ、私は一度も……」

 魔石は便利で少し高価な道具である。

 ギーセン家が貧しいこと、そして死ぬ前の侯爵家においては侯爵の意向によりルビィが魔石について知っているのはその程度。

 ルビィは魔石を扱ったことどころか見たこともほとんどなかった。

「そうか。ならばまずはこの指輪を手の上に置いてくれ」

「えぇ、わかったわ」

 ルビィは渡された指輪を素直に手の上に乗せる。

 そうしてよく見れば、その指輪を装飾する宝石はまるで雪景色のような青白い世界を描いていてルビィは小さく感嘆の声を漏らした。

「綺麗な宝石ね。私、この宝石大好きだわ」

「綺麗なだけじゃない、それは魔宝石だからな。……さて、それだけの魔石ならば何かを吸われるような感覚があると思うがわかるか?」

「えぇ、わかるわ」

 ルビィは手のひらから何かが抜けていくような感覚を味わいながら小さく頷く。そして軽く指輪を摘んで、その感覚が手のひらから摘んだ指に移ることを確かめた。

「その吸われている物がお前の魔力だ。それを意図して指輪に動かせるか?」

「やってみるわ」

 指輪に向かう流れをより深く意識して、ルビィは身体の中に流れる奇妙な何かを感じ取る。

 意識すればその流れは自分の意志によって動かせることを確認して、ルビィは流れを指輪へと向けてみた。

「わっ、宝石が光ってるわ!」

「魔石が活性化したんだ。そうなれば魔石の意思がわかるはずだ、何を感じる?」

 ルビィはエーデルの言葉に小さく頷いて指輪に意識を集中した。

 そうして見つめた先、魔力が流れて輝いた宝石の世界に二匹の見たこともない動物が現れる。それと同時にルビィの脳裏にはその動物を模した二つの紋章が浮かび上がっていた。

「二匹の動物……二つの紋章が浮かんできたわ」

「二階梯か、初めてにしては上出来だな。その内、小さい方の紋章を魔力で満たすんだ」

 ルビィがこくりと頷いて魔力を操る。宝石に流す魔力を増やしていくと脳裏に浮かぶ紋章にも魔力が流れこんでいくのがわかった。

 そうして紋章を魔力で埋めた瞬間、ルビィはその紋章が小さな氷塊を生み出す力を持っていることを自然と理解する。

「氷が作れそうだわ。でも、作れる場所が……」

 ルビィは困惑しながらエーデルに目線を送る。ルビィは氷塊を生み出せることを理解すると同時に、氷塊を生み出せるはずの場所もわかっていた。

 それは宝石の表面付近、そしてエーデルの体内を含めた身体付近だったのだ。

「魔法は魔石の付近でしか使えない。だが血の契約を結べば、血の持ち主自身も宝石とみなしてより広い範囲で魔法を使える。……これで裏切れないという意味がわかったか?」

「……それってまさか!」

 一拍遅れてエーデルの告げる意味を理解したルビィは顔を青く染める。

 ルビィが少し願うだけでエーデルの体内に氷塊を生み出せてしまうのだ。それはつまり、ルビィがエーデルの生死を握っていることと同義だった。

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こちら私の別作品となります。キリのいい所まで書いてありますので、更新待ちの間にでもどうぞ!
呪われ公爵と身代わり令嬢
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