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マグロ

作者: ふぇにっくすからあげ

特になし

うちの真魔ママはよく「ばか」と言われる。

今回は「これはばかな人生の選択ですか?」とでも題しタイピングをすすめてゆこう。






まだうちの真魔ママが20代でぴっちぴちだった頃の話。

今みたくおっぱいもたれてなかったらしい。

ほうれい線もうすくブルドッグでもなくゴルゴ線もなかったそうだ。

真魔ママは高校を卒業した後とある国家資格を取得する為とある専門学校へ通っていた。

もう20代だし学費を親にだしてもらえるわけもないので昼間働きながら夜間お勉強しに行ってたらしい。


体育の授業。

体育館の窓から見える星などそっちのけで生徒皆せっせとマットを敷き詰めてゆく。

今日の授業はマット運動です!

真魔は(ママ)は小中学校の頃あたり前のようにリレーのアンカーを任されていたらしい。

ハードル跳びもお手の物。

バスケもできる。

バレーボールはその長身を生かしアタッカー。

体育の授業や運動会では目立っていた、んだとか。

この日はマット運動。

まずは準備運動ででんぐりがえし。

ごぎゅっ。

ごぎゅっ?

「ごきゅっ」じゃないよ「ごぎゅっ」。

そのまま1mmも動けなくなり救急車で搬送された。

おいアタッカーw









運ばれたのは学校から少し離れた総合病院。

クラスにひとりはいる責任感あふれるかわいい人気者の女の子が同行してくれた。

夜間だからなのか若い30代くらいの医者が対応してくれたそう。

今風の若者言葉で言えば「陽キャ」というやつか?

その医者は付き添ってきてくれたかわいい女の子と楽しそうに会話をしながらマグロのように横たわっている真魔ママに目を向ける。

「でんぐりがえしで救急車?」

笑え。笑うがよい。



だいぶ時間も遅いので同行してくれた彼女は病院を後にした。



「動けないからこのまま入院ね」

「はい。」

「あー、あとここには心療内科もあるから入院中そっちも受診できるから。」

「え?」

ウィーン。エレベーターのドアが開いた。

廊下は薄暗く非常灯の灯が目立っていた。

ストレッチャーなんて久々だ。

「なんで心療内科?(苦笑い)」

「運ばれてきてすぐわかった。で、お友達が帰った後確信した。作ってないほうが全然いいと思うけど。」

「あぁーさすがお医者さんですね。」

「まぁね。」

現に真魔ママは心療内科にしばらくお世話になっていた過去がある。

その事情はまた今度機会があったら書く。



街中の大通り沿いにある病院。

思ったより重症なようで外を通る大型車両の振動が患部に伝わりいちいち痛い。

身体は一切起こせない。

トイレも行けないし水も飲めない。畜生。

しばらくして両親が来てくれた。

夜の病院だがおかまいなく甲高いでかい声で陽気に話しながら入室してきたおかん。

「動けない?大丈夫ですよ~。連れて帰りますからっ!ほら行くわよ!」

「今娘さんを動かすことはできません。申し訳ありませんが今夜はお引き取り下さい。」

陽キャくんが代わりに答えてくれた。




両親は顔を見合わせ病院を後にした。





もう今夜は休もう。。。


























そのまま3か月ほど入院した。


















おかげさまで退院。

その後退院してから1週間ほどで真魔ママ宛に手紙が届いたそうだ。

「アンタ宛に手紙届いてたわよ!」

おかんの指さす方を見るとなぜかすでに開封された手紙が。

「先生からよ!わざわざ手紙くれたんだからすぐ連絡しなさいっ!!!大学病院に引き抜かれたらしいわよ!若いのに凄いわねぇ~」

早速開封済の手紙に目を通す。

達筆。堂々とした文字。

港で有名なあの街の大学病院へ行くことにしたらしい。

なんか色々書いてある。1枚では収まりきらない内容なのか?うぅ・・長そうだ。

手紙からふと目をあげる。

うちの真魔は字を読むことが春菊の天ぷらと同じくらい苦手なんだそうだ。

「さっさと連絡しなさいっ!!!医者よっ?!玉の輿よっ?!高卒なんかのアンタに連絡くれるお医者様なんて二度とっ!絶対っ!現れないわよ!いくらバカなアンタだってこれが大事な人生の選択だって分かるわよねっ?!あぁ~ママ嬉しいわぁ~(小躍り)」

先に開封既読済のおかんに話を聞けば、どうやら港のあるその街は遠いので一緒に行きませんか?みたいな内容だったらしい。














真魔ママがもしその陽キャくんと一緒になっていたら今の私は居ない。

玉の輿を蹴りパパを選んだうちのママはばかですか?


特になし

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