第25話 説明書 vol.10.0②
☆《時の迷宮》☆
竜宮院が挑み続けている迷宮。
新造最難関迷宮の中でも指折りに踏破困難とされている。
迷宮鑑定士が発狂するレベル。
かつて竜宮院は、アルカナの救世主を名乗り、《時の迷宮》にチャレンジしたが、たったの一階層で全滅寸前という状況に陥った。本人も失禁した挙げ句逃げ惑うといった、実際にやらかしたら立ち直り不可避な醜態を晒し、大失敗に終わった。
が、しかし、作中既出の《時の迷宮》一階層のボスモンスター《一階層のミスリル》程度ならば正気状態のエリスであれば鎧袖一触待ったなしのはずであった。
また日頃からアンジェリカの本質を尊重し、本番でしっかりした指示を出せていれば、《火神一擲》や《七つの逆巻き貫く水槍》で一撃で戦闘を終えていたであろう。
さらにまた、ミカの回復や結界を勿体振らず(そこに別の意図があったものの)始めから出し惜しみせずに、合同パーティメンバーに最初から全開で使用させていれば、少なくとも一階層での撤退とはならず、竜宮院としてももう少しメンツが立ち、別の運命が拓けていた可能性があった。
☆《成長率5倍》☆
竜宮院の超レアスキル。
勇者の名に恥じない凄まじい効果を持つ。
猫にアレ、豚にソレ。
ちなみに聖騎士である主人公は《成長率3倍》であった。
☆節制の世界☆
これまでの竜宮院の世界とは真逆の世界。
☆黒い首輪☆
竜宮院専用のスペシャルな首輪。
王都にて罪が白日の元に晒され、捕縛された結果、《時の迷宮》攻略とそれをなせるだけの訓練を課された竜宮院であったが、彼の性根はどうやったって変わらない。
そんな状況で偉い人達のオハナシの末に竜宮院に装着された素晴らしい首輪である。三つの素晴らしい石が嵌め込まれている。
それぞれの石は、異なる効果を持っており、一つは恐怖心を完全に取り去る効果を持ち、もう一つは疲労を感じなくする効果を持ち、最後の一つは強烈な高揚感をもたらす効果を持つ石である。
これを装着してからの竜宮院は、恐怖心もなく、疲労も感じず、それどころか意気揚々と《時の迷宮》アタックを試みるようになった。たださすがの彼も恐怖心は人並みに感じるので……。
☆白髪☆
《時の迷宮》で腹にミスリルの槍を生やして撤退したあと、死に目にあった恐怖から竜宮院自慢の金髪(地毛?)は───
☆ミスリルの槍☆
エリスや山田がオリハルコンのような《神話石》をスパスパ切断する世界観ではあるが、ミスリルはやっぱり希少であり、めちゃくちゃ高価である。
だからか、読者様の感想で『ミスリルゲットだぜ!!オラもっと採ってくるんだよ!』というものがあった模様。
竜宮院はミスリルの無限増殖に成功したということか……。
☆セナ姉様☆
純粋なエリスは小屋での生活にするりと溶け込んで、気がつけばセナのことをこう呼んでいた。
☆《連絡の宝珠》☆
所有者の魔力を登録し、さらに別の所有者やその《連絡の宝珠》のデータを登録することで相手との連絡が可能となる。
イチローに与えられた連絡の宝珠には、送り主である宰相以外にも、複数人との連絡が可能な状態となっていた。
☆召喚賛成派閥筆頭☆
召喚を行った直後から竜宮院の面倒をみるという名目で彼を預かったとある公爵家のこと。マディソン宰相や彼と繋がった商人達や教会の大包囲網によってやっとこさ沈黙させることが出来た。
もちろん竜宮院をバックアップしていたのは、彼によってもたらされる利益のためであった。
☆Utuber☆
元々山田のいた世界で誰もが利用していた動画サイト。
動画視聴のみならず動画投稿も可能で、このサイトを利用することでインフルエンサーにジョブチェンジする人も少なくはなかった。
☆『山田一郎考察厨』☆
とある山田一郎考察厨は現代地球の動画サイトがあれば、【驚愕! キャラデザが変わった? 実はヤマダイチローは七人存在した!】や【完全考察!! 本当は怖いヤマダイチロー! 正体は○○○○だった】といったタイトルの動画を上げてそう。
☆兄貴ィ☆
☆ブラザー☆
☆ウェニキ
山田がボルダフを練り歩いていると、三回に一回は《益荒男傭兵団》の団員と鉢合わせる。その都度彼を慕う団員達からこう呼ばれる。
初めは山田も「やめてください」「やめろし」「やめてくれよ」「俺のことが嫌いなの?」「あああぁーー!!」と抵抗していたが気が付いたときには、慣れ過ぎてもはや訂正することすらやめてしまった。
☆《狂獣》☆
竜宮院の後始末が原因で発生した政治の乱れに乗じて成長した闇ギルドの一つ。
違法薬物に、禁止魔導具に、誘拐と人身売買などと、これまでは厳しい取り締まりの王都から離れた街々で活動していた彼らは、不安定な情勢を期に、大々的に王都で活動を始めた。
しかしやり過ぎ、国の上層部から存在を憂慮された結果、何の因果かパフィの面目を回復するという目論見を持った山田によってめちゃくちゃにされて壊滅に追いやられた。
☆凶剣士と凶魔法使い☆
《狂獣》と共に行動する二人組。
どちらも元Sランクの探索者の男であり、一人は刀を扱う剣士であり、一人は魔法使いであった。
人格に問題があるとされた二人は、何度も問題を起こした結果、探索者ギルドから放り出された。それでも、各地で問題を起こし続けた彼らは、それぞれ凶剣士、凶魔法使いと呼ばれることとなった。
その名に違わぬ狂いっぷりは、当初は過度の暴力や恐喝脅迫だったものだったが、やがては殺人や強盗に変わり、気が付いたときには、数え切れないほどの命を奪った凶悪指名手配犯へとジョブチェンジしていた。
最後は山田にめちゃくちゃにされて錯乱して捕縛された。
☆《妖刀血染》☆
名が示す通り刀。かなりのレアアイテム。
人を切れば切るほどに切れ味を増し、持ち手を強化する厄介な性質を持っている。凶剣士は刀の性能を上げようとたくさんの命を奪った。
☆《魂吸い》☆
かなりのレアアイテム。杖で。
こちらも人の魔力や魂を吸収することで強化され、持ち手の魔力を強化する性質を持っている。
杖の強化のために多くの者が犠牲となった。
☆《花の迷宮》☆
新造最難関迷宮の一つ。
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☆凛としてプルミー☆
普段のプルミーさん。
ちゃんと腹から声出てる。
☆駄々をこねてプルミー☆
グリンアイズのギルドマスターを辞するも何だかんだと理由を与えられ相談役というギルマスとほぼ変わらぬポジションに就けられたときのプルミーさん。
「三人でエルフの里に行こうと思ってたのに……くすん」
☆それから☆
王都にて竜宮院を虚偽や欺瞞を白日の元に晒し、彼を完全に無力化し、捕縛したあの日から。
☆俺達のこれから☆
彼らのこれからの物語。




