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この世界がいずれ滅ぶことを、俺だけが知っている  作者: 灰島シゲル
第一章 すべてのはじまり

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46/351

再出発



「ステータス」


 居酒屋を飛び出した明は、まずは今の自分の力を今一度見つめ直そうと、ステータス画面を開いた。




 ――――――――――――――――――

 一条 明 25歳 男 Lv1(25)

 体力:32

 筋力:72

 耐久:71

 速度:66

 幸運:26


 ポイント:10

 ――――――――――――――――――

 固有スキル

 ・黄泉帰り

 ――――――――――――――――――

 スキル

 ・身体強化Lv2

 ・解析Lv1

 ――――――――――――――――――

 ダメージボーナス

 ・ゴブリン種族 +3%

 ・狼種族 +3%

 ・植物系モンスター +3%

 ――――――――――――――――――




 明は、これまでの繰り返しの間に『十度目』、『狼狩り』、『植物嫌い』というブロンズトロフィーを三つ、新たに獲得していた。


 『十度目』というブロンズトロフィーは、その文字通りに十回目の黄泉帰りを経験した際に獲得したものだ。その報酬は体力+5であり、明の体力値はそのトロフィーの影響で僅かに向上していた。

 『狼狩り』と『植物嫌い』は、その名の通りモンスターを倒していた際に獲得した。その報酬は『ゴブリンの宿敵』と同じで、それぞれのモンスターから受ける敵対心が+20上昇し、ダメージボーナスが発生するものだった。



(ポイントは10も溜まってるけど、これじゃあまだ、身体強化のスキルレベルアップは出来ない)



 身体強化を次のレベルにあげるのに、必要なポイントが30であることを、明は繰り返しの中で確認している。

 行き詰ったこの現状に絶望を感じていた明は、このポイントを使ったところでもう意味がないと思い込んでいた。

 結果、使われなかったポイントはこうして溜まりに溜まっている。


(身体強化のレベルを上げれば、きっと、ミノタウロスは倒せるはずなんだけど……)


 ポイントを溜めるには、レベルアップが必要不可欠だ。

しかし現状で厄介なのは、もはやブラックウルフを相手にしても容易にはレベルアップしないレベル帯となってしまったことだった。隣町のオークを相手にするにはステータスが足りず、かといってこのまま、この街でのレベリングを続けていても、一度の黄泉帰りで一回のレベルアップが関の山だろう。


(ポイントを大量に手に入れるには、クエストの報酬が一番手っ取り早いんだけどな)


 その、肝心のクエストは、今やミノタウロスの討伐を示すものばかりが表示されている。

 その原因はおそらく、〝前回、敗北したモンスター〟とあるからに、死因となったモンスターが関係しているのだろうと、明は考えていた。


(この繰り返しの間、表示されるクエストの内容を変えようと、わざとグレイウルフに殺されたことがあったが、次に目覚めた先でグレイウルフに再び出会っても、クエストの表示がされなかった)


 おそらくだが、クエストの表示は〝わざと〟負けた時には表示されない。

 必死になって生き足搔いて、それでも足りず死んで、そこでようやく初めて表示されるものだろう。

 オークやミノタウロスを相手にするのならばまだしも、この街で明が苦労するモンスターは今や存在していない。それはつまり、現状ではクエストを頼ったポイントの獲得が出来ないことを示していた。


(オークを相手にして、クエストを切り替えるって方法もあるが……)


 以前、確認をした解析画面でのオークの耐久値は123と、明の筋力値を大きく上回っていた。耐久がそれだけ高ければ、今の明がいくら攻撃を仕掛けてもまともなダメージにはならないだろう。

 明は、首を振ってオークと戦うその考えを払拭すると、思考を切り替える。


(……だったら)


 必死に、明は思考を続ける。

 何か手立てはないのかと、ポイントの割り振りから新規スキルを選択して、現状のポイントで取得できるスキルの詳細へと、明は一つ一つ目を通していく。

 そして、いくつものスキルの詳細を目にした時。明は、一つの可能性に思い当たった。


(ッ、まさか)


 心で呟き、明はもう一度そのスキルの詳細を確認しようと、その名前を選択する。




 ――――――――――――――――――

 魔力回路Lv1

 ・パッシブスキル

 ・魔力への適性がない生物でも、魔力への適性が生まれる。体内に創り出された回路の大きさによって魔力の適性度は変化し、その回路の大きさはスキルレベルに依存する。



 魔力回路Lv1を取得しますか?  Y/N

 ――――――――――――――――――




(…………もしも、これが俺の思っていた通りになるんだったら)


 確信はない。ここでこのスキルを取得すれば、貴重なポイントを無駄に失うことになる。

 スキルを一度取得してしまえば、たとえ『黄泉帰り』による巻き戻しが発動したとしても、スキルの取得を無かったことには出来ないのだ。つまりこれは、これから先の未来を決める大きな賭けになる。

 明は、しばらくの間そのスキル詳細を見つめ続けて、やがて決断した。




 ――――――――――――――――――

 スキル:魔力回路Lv1を取得しました。

 ――――――――――――――――――




 瞬間、明は胸に力が渦巻くような感覚を覚えた。

 それはたとえるなら、自分の中に魔力という血を送り出すもう一つの心臓が出来たような、そんな奇妙な感覚だった。


(あとは、無事にステータスが変わってればいいんだが)


 祈るように呟き、明は再度ステータス画面を表示させる。




 ――――――――――――――――――

 一条 明 25歳 男 Lv1(25)

 体力:32

 筋力:72

 耐久:71

 速度:66

 魔力:1

 幸運:26


 獲得ポイント:5

 ――――――――――――――――――

 固有スキル

 ・黄泉帰り

 ――――――――――――――――――

 スキル

 ・身体強化Lv2

 ・解析Lv1

 ・魔力回路Lv1

 ――――――――――――――――――

 ダメージボーナス

 ・ゴブリン種族 +3%

 ・狼種族 +3%

 ・植物系モンスター +3%

 ――――――――――――――――――



(――――よし、思った通りだ)


 明は、表示されるその画面の中で、新たに『魔力』の項目が増えていることに口元を綻ばせた。


(あとの問題は、この数値がレベルアップによって伸びるのかどうかだ)


 その結果次第で、ミノタウロスに挑むための、事前準備である繰り返しの回数が変わってくる。



「よし」



 小さく呟き、明は覚悟を決めた。

 もう恐れることなんて何もない。

 これから先、たとえ何千回という回数を繰り返したとしても、自分は決して一人にはならないと知ったから。


「行こう」


 明日という日を、無事に生き延びるために。

 モンスターが溢れたこの世界で、たった一人の孤独とならないように。


 ――――もう一度、この世界に足を踏み出そう。



月宮悠人様にレビューいただきました。

本当にありがとうございます。


今章のクライマックスも近いですが、引き続きよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] もしも最初から取っておいたら20くらいは伸びてたのかなあ...
[気になる点] 魔力で…今更?
[一言] 勇者かよ…(´;ω;`)
2022/01/22 04:27 退会済み
管理
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