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この世界がいずれ滅ぶことを、俺だけが知っている  作者: 灰島シゲル
第一章 すべてのはじまり

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二度目のレベルアップ



「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…………」


 荒い息が明の口から漏れ出る。

 バクバクと激しく打ち鳴らす心臓の鼓動がうるさい。

 力の限り握り締めた影響からか、指先がじんわりと痺れている。

 いつの間にか額に浮かんでいた汗が、絶命したゴブリンへとぽたぽたと垂れ落ちて模様を作るのを見て、明はぐいと頬を拭った。


(ようやく、勝てた……)


 それが、明の浮かべた最初の感想だった。

 包丁で挑んでもギリギリだ。ゴキブリ並みの生命力、という言葉があるが、それはまさしくコイツらにこそ相応しいのかもしれない。

 そんなことを明は考えながらも、ゆるゆると息を吐き出す。


「ふぅー……。これで、二回目だけど……。あまり、慣れるもんじゃないな」


 一息ついて地面に横たわるゴブリンの死体を見つめる。

 命を奪うのはこれで二回目だ。けれど、一回目の時とは違って、まだ心には余裕があるのを感じた。


(これから先、何度も命を奪うんだ。早いうちに慣れないとな)

 心で呟いて、明は気を取り直すように頭を横に振った。


「クエストは……。よし、進んでるな」


 明はゴブリンを倒すと同時に表示された画面を見て呟く。



「……それに、レベルアップも出来た」



 だが、今回のレベルアップは一回のみだ。前回、ゴブリンを一匹倒した時にはレベルが二つ上昇していたはず。

 その違いに、明は眉間に皺を寄せて考えた。


(これは、あれか? 前世でもうすでに二回、レベルアップをしてるからなのか?)


 ゴブリンごとに経験値の差があるかも知れないが、コイツが特別弱かったとは思えないし、きっとそういうことなのだろう。


(だとしたら今回のレベルアップで括弧の中の数字も増えてるだろうし……。それはまあ、ステータス画面を見てみれば分かることか)




 ――――――――――――――――――

 一条 明 25歳 男 Lv2(4)

 体力:6(+1Up)

 筋力:11(+1Up)

 耐久:10(+1Up)

 速度:5(+1Up)

 幸運:5(+1Up)


 獲得ポイント:3

 ――――――――――――――――――

 固有スキル

 ・黄泉帰り

 ――――――――――――――――――




(……ふむ)


 自身のステータス画面を見つめて、明は唸った。



(やっぱり、括弧の中の数字は、これまでの繰り返しで()()()()()()()()()か。んで、その前に表示されているレベルが、()()()()()レベル、と)



 つまりは、レベル2が今回の俺のレベル。レベル4が、生き返りを繰り返す俺のレベル。どうやら、モンスターを倒した時にレベルアップをするのかどうかは、俺の総合レベルによって変わるみたいだな。


 と、結論を出した明は、獲得ポイントの文字へと手を伸ばし画面を切り替えた。



(……ってことは、黄泉帰りとやらのスキルを使って何度過去に戻ろうが、レベル1からレベル3に上がるレベリングを繰り返して、ポイントを量産することは出来ないってことか)


 ――もし、それが出来れば、黄泉帰りとやらは最高のスキルだったな。


 思わずそんなことを考えてしまうが、出来ないものは出来ないのだから仕方がない。

 すぐに明は気持ちを切り替えて、ひとまずは増えたポイントでスキル取得の有無に変化が生じたのかを確かめるために、ポイント割り振り画面へと切り替えた。

 次いで、表示された画面に並ぶ振り分け先の一覧から『新規スキル』の文字へ手を伸ばす。


「さぁーて、どうだ? さすがに、ポイント3つもあれば何かしら手に入れられるだろ」




 ――――――――――――――――――

 取得するスキルを選んでください。

 ――――――――――――――――――




「おっ!」


 今まで見たことのない画面に、思わず明の口から声が出た。

 どうやら、待ち望んでいたスキルというものを手に入れることが出来るらしい。

 明は期待に胸を膨らませながら、画面に目を向けた。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 総合ポイントによって、レベルの上げづらさが変わるってことですかね?
[一言] (……ってことは、黄泉帰りとやらのスキルを使って何度過去に戻ろうが、レベル1からレベル3に上がるレベリングを繰り返して、ポイントを量産することは出来ないってことか) ここ上げ放題じゃんって…
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