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そんな夢みたいな導火線に

作者: 朝焼 悠

宙に浮いている言葉と

それまで散り散りになっていた思考と

点と点だったそれぞれが

線になって繋がっていく


楽しいばかりじゃなくて

難しい顔している時の方が長かったりもするけど

その感覚がどうしても忘れられなくて

これまで感じてきた

喜びや感動 不満や痛みさえも

この瞬間に繋げられたのならって思うと

感謝とまではいかなくても

頭くらいは下げたくなるんだ


僕の中には誰もいなくて

どこを捲っても 切っても

僕しか出てこない淋しい人間だけど

それでも一人じゃなかったみたいで

声をかけてくれる人もいたんだ


自分の中に自分以外を受け入れる余裕がなかった僕は

きっとその分 沢山の人を裏切ったり 失ったりしてきたんだ


もう無理だと

過去 傷 トラウマ

それ等を越えようと重ねてきた日々

全部が無駄だったのだと

無価値だった僕は

どこまで行っても無価値なままなのだと

悟ったつもりになって


もう諦めたって

望まない 感じない 考えない

追わない 求めない

だってまた無駄になるだけだからって

そうやって燻り続ける想いを

必死に押さえ付けてきたはずだったのに


こうして情けなくも諦め悪くしがみついている間に

言葉をもらえていく内に

燃え尽きたつもりなんて微塵も無い と

無意識の内に

恥も外聞もなく口に出せた自分に驚いたんだ


もう一度と願ったところで

あの頃と何かが変わった訳じゃない

急に実力が付いたり 才能が溢れてきた訳じゃない

ただ時が流れた分だけ 可能性だけが失われただけなのに

僕はまだこうして

宙に浮いている言葉と散った思考とを掻き集めて

一つの言葉として繋げて訴えている


こうして繋げた一つの線はさながら導火線みたいなものか

何に繋がっているのか

それは僕自身にも分からないけど

それはきっと僕がもう一度笑えるための

今度は誰かと共に笑えるための

明日へと

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