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もともとの7話部分が重複していたため削除いたしました。

そのため、18話まで一話ずつ繰り上がっています。

教えていただきありがとうございました……!



 あ、れ。またベッドの上。兄さまの部屋にいたはずだよね。


「おや、目が覚めたかい?

 おはよう、アラン」


 あれ、どうしてここにイシュン兄さまがいるの? ここ、自分の部屋だよね。


「アラン?」


「あっ、おはようございます」


「うん。

 ああ、そのまま横になっていて。

 本当に、どうして隣で話を聞いているだけで熱が出ちゃうのか……」


 ぽつり、といった最後の言葉。しっかり聞こえてしまっていました。いや、本当に自分でもそう思います。というか、やっぱりまた熱が出ていたのか。なんとなーくまずい気がはしていたんだよね。えっと、何だっけ……。知恵熱?

 自分としても大変不本意です。


「うーん……。

 今度マリーのお披露目パーティーの時、リーロンパ師匠に会っていただくか……。

 もしかしたら何かわかるかもしれないしね」


「リーロンパせんせい?」


「僕に薬学を教えてくださった人だよ。

 薬草にたけている人でね、もしかしたら何かわかるかもしれない」


「そのかたも姉さまのパーティーにこられるんですか?」


「いや、招待の予定はなかったけどもしアランが見てもらうという話なら、招待客に乗じてきてもらおうと思っている。

 あの人はきっと一人ではこちらまで来てくれないからね」


「王都にいらっしゃるかたですか?」


「ああ。

 マリーのお披露目にはリロンカがこちらに帰ってくるので、一緒に連れてきてもらおう」


 リロンカ……。聞いたことがあるような気がする。でも、何だっけな。


「リロンカは僕の妹だよ。

 今は王都の学院に通っているんだ」


イシュン兄さまの妹! そっか妹がいたんだ。ハーボン兄さまのことは覚えていたんだけどな。


「まあリロンカとはずっと会っていないからね。

覚えていなくても仕方がないよ」


 やっぱり会っていないよね⁉ 会っているのに忘れちゃったかと思った。


「とにかく辺境伯に相談しておこう。 

 アランは休んでおくんだよ」


 そういうとイシュン兄さまは部屋を出て行ってしまった。もう少し話していたかったけど、イシュン兄さまも忙しいものね……。


「坊ちゃま、何か欲しいものはございますか?」


 アベル、そこにいたんだね。全く気が付かなかったよ。


「うーうん。

 だいじょうぶ」


 ひとまずさっきの情報をまとめたい。早速布団をかぶり、一つ一つ思い出すことにした。


 ここはアルフェスラン王国。『ラルヘ』がいたツーラルク皇国の隣国。そして、カーボ家はあの時に率先してこちらに攻撃を仕掛けてきた一族だった。今もその姿を覚えている。真っ先に戦場をかけてきて、部下を強く鼓舞していたあの姿。自分でもあこがれたものだ。


 そして、今はあの時代から150年後? まさかつながっているとは思わなかったから全く気にしていなかった。

……、あの謎の人。あの人が業を濯ぐのに時間がかかった、とか言っていたけど。自分の業はそんな期間で濯がれるようなものではなかったはずなのに。それに、今度は自分が多くの命を奪ったこの土地で暮らせと? どうして、自分をここに生まれ変わらせたのだろう。

こんなにも自分に優しくしてくれる人たちに、自分はどう恩を返していけるんだろう。


もし、自分が『ラルヘ』の生まれ変わりだと知ったら……。みんなは、僕を拒絶するんだろうか……。


そう言えば、こちらに来る直前。あの人が何かを言っていた気がする。何だったっけ?




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