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 せっかくここまで来たのだから、と湖や周りの景色を楽しむことに。最近はこうやって自然を楽しむこともできなかったから、こういう時間をもらえたのはありがたい。やっぱりリフレッシュできるよね。

ちなみに、ちゃんと木に魔力を与えないようにしています。


「そうだ、デザート替わりに果物を食べませんか?

今とってくるので少し待っていてください」


 そういうと、何かの木に近づいていく。そしてそこに実っているピンクの何かをいくつかとってこちらに戻ってきた。


「これです。

 少し待ってくださいね」


 そう言うと、ナイフを受け取って皮をむき始める。侯爵家の子息なのに果物の皮むきができるし、宝石採掘もできる。うん、なんかすごいな。じっと見ていると、白い実が出てきた。それを半分に割り、薄い膜につつまれた種を取り出す。あ、それはなんだか見覚えがある。って、これ結構貴重なものって聞いたんだけれど……。


「はい、どうぞ」


「その種は捨てるんですか?」


「え、あ、はい」


 種をもらいたい気持ちもある、けれどどのみち乾燥させる時間ないかな。うーーん。


「種、もらう?」


「うーーん、果たして膜を破らないで屋敷まで運べるかな?」


「種が何かに使えるのですか?」


「この膜を割らないようにして、からからに乾燥させてから砕くと薬の材料になるのです。

 これは貴重と聞いたのですが……。

 確か、ワッラシという名だったような?」


「そうなのですね。

 ずっと食べていたのに初めてこの実の名前を知りました。

 よければどうぞ持って帰ってください」


「ありがとうございます」


 これはがんばって乾燥させねば。膜が種に吸収されるくらいになれば馬車で移動しても大丈夫だろうし。


「さあ、こちらもおいしいですよ」


 食べやすい大きさにカットしてもらったワッラシの実をもらう。初めて食べたけれど、おいしい。ほのかな甘さにかむたびに果汁があふれる。


「おいしい」


「でしょう?」


 ふふっと、お互いの顔を見合わせて笑う。そのタイミングで実を口にしたシントが目を開いて驚いた顔をしているからそれもなんだかおもしろい。


「あはは、殿下!

 そんな顔もなさるのですね」


「おいしい……」


「うん、おいしいね」


 ダメ、笑いが止まんない。な、なんでシントは僕らの状態見てそんな一言言えるのよ。はー、もうダメ。


「そんなに笑わないでよ」


「ごめんごめん」


「す、すみません。

 でも……」


 ひとしきり笑って、ひとまず実を食べきる。うん、おいしかった。


「グリーサカ様、そろそろお屋敷に戻られませんと」


「あ、そうだね。

 では屋敷に戻りましょう。

 楽しい時間をありがとうございました。

 学院に入ることがますます楽しみになりました」


 屋敷につく前に、と預かってもらっていた宝石を受け取る。そっか、同じ上位貴族で同い年。学園で一緒になるんだ。


「ええ、僕も楽しみです」


 朝とは全くちがう気持ちで僕らは屋敷へと帰っていった。



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