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さてさて、兄上の学園が始まり、皇都に残っている同年代の子たちで交流という名のお茶会がたびたび開催されているそうなのですが……。僕は体調面が不安だからと断りまくっている現状。お茶会とか苦手な気しかしないからありがたい。というか、本来なら領都にいるはずの僕がここにいると知ってこんなにも招待状送ってくるとかこわ。
兄上が教えてくれた話では、このお茶会、下位貴族にとっては自分の側近候補を決める目的もあるようで、向こうも必死なのだそうだ。というのも、皇都に残っている中に高位貴族はあまりいない。ほとんどが領地をもたない貴族なのだ。この時期、領地持ちの貴族は領地経営のために領地に引っ込んでおり、領地をもっているのに皇都に残っているのは王宮勤め、しかも高位役職の貴族くらいだ。ちなみにフレン兄上たちがこれにあたる。
それ以外に残っているのが、分割できるほど領地をもたない低位貴族。そのため、嫡子以外は高位貴族を助けるのが一般的となっている、らしい。ちなみにこれはグレイ先生情報です。
「まあ、アラミレーテ殿はまだお茶会には参加しないようですので頭の片隅に入れておくといいと思います」
「わかりました」
「そういえば、明日から魔法の勉強も始まるそうですね」
「はい!
楽しみなのです」
「体調にはくれぐれも気を付けてくださいね」
心配そうな先生の目線。いやー、実際につい先日暴走したばかりだから自信満々にはい、とは言いづらい……。ということで、あいまいにうなずいておきました。
「それにしても側近……」
「気になりますか?」
「うーん、兄上ならまだしも僕には必要ないかと思うのです。
そういえば、兄上の側近見たことないです」
「アラミレーテ殿にも必要なのでは?
カーボ辺境伯を継ぐのはヘキューリア殿でしょうけれど、アラミレーテ殿も領地を継ぐのでしょう?
ヘキューリア殿の側近は私も存じ上げませんが……」
え、ちょっと待って。僕領地継ぐの!? 無理でしょう。え、辺境伯継がないのに継ぐ領地があるの?
「もしやご存じない?」
恐る恐るといった様子で先生が口にする。それに僕はこくこくとうなずいた。あちゃー、といった様子の先生。なんだかすみません。
「すみません、きちんと説明していくべきでしたね」
そういうと、先生が領地の話を始めてくれた。どうやら一般的に高位貴族といわれている伯爵位以上が自分の領地をもっているのだが、広大な領地を治める公爵、辺境伯、場合によっては侯爵はその中でも領地を分割することがあるのだそう。辺境伯は今叔父上などに領地を任せて、全部で三つに分かれているそう。そのため、例えば叔父上の領地はカーボ辺境伯リュクア子爵領というらしい。知らなかった。
この三つの分割、実は辺境伯としては結構少ないらしく、おそらく僕はまた分割したうちの一つを継ぐのでは? というのが先生の予想だったらしい。これを聞いた正直な感想がえ、面倒な、というものだった僕はきっと領主にはふさわしくないだろう、うん。
「そして、おそらくですが、私はこのままアラミレーテ殿の補佐につくかと……」
「補佐、ですか?」
「ええ、まあそれこそ側近といっても変わりないかと」
「え、先生が僕の側近になるのです!?」
そ、それは心強いような、申し訳ないような。本当にいいのか……。
「このままいくと、ですよ?
私はもともと子爵家の三男ですので家関連を継ぐことはできませんし……」
先生、子爵家の三男だったのか。全然知らなかった。当たりまえのように暮らしていたけれど、知らないことがあまりにも多い。頑張って学んでいかないとな。
「側近のことはすぐに考えなくても大丈夫ですよ。
一緒に活動していきたいという人がいれば声をかければいいのです」
その言葉にほっとする。やっぱり焦って決めたくない。それに自分が使われる側ならまだしも、自分が使う側になるというのがなんともな……。
「今お茶会に出ないようにしているのはそういった理由もあるのですよ。
同年代の方はいまだに側近になっていないことがほとんどです」
その言葉にああ、とうなずく。つまり、今お茶会に出てしまうと側近希望者続出といった感じか。そのあたり聞いてはいたけれど、自分はいらないと思っていたのでちゃんと考えていなかった。お茶会でなくてもいいと言ってもらえてよかった……。




