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もともとの7話部分が重複していたため削除いたしました。
そのため、18話まで一話ずつ繰り上がっています。
教えていただきありがとうございました……!
ひーまーだー! 昨日まであった体の重苦しさも、ひどい頭痛ももう収まっている。あとはわずかに熱があるだけなのだけれど、今日は一日ベッドから動くな、とのこと。イシュン兄上は相変わらず容赦がない。
またもや授業が延期になってしまった点はグレイ先生に申し訳ないと思っています。でもさ、これの原因母上でしょう⁉ 結構寒くなってきたのに、今更背が伸びたんじゃないかしら⁉ もう一度採寸させて! といって下着姿で一時間とかだよ。まあこうなるでしょう。さすがにイシュン兄上が母上に怒り、母上が謝りに来ました。今度はもっと暖めた部屋で行う、と。あ、改善点そこなのですね。
「おとなしくしているかい?」
ぼーっと天井を眺めて時間を過ごしていると、イシュン兄上が部屋を訪ねに来てくれた。じとっと見てしまったのは許してほしい。こういうことに関してはサイガもアベルも僕ではなく、イシュン兄上の言うことを聞くのだ。
「うん、もう平熱まで下がっているね」
額に手を当てて熱を確認すると、そんなことを言う。じゃあ、もう起きていいかな、と思っているとまだ駄目、と言われてしまった。なんで⁉
「そんな目で訴えてもだめだからね。
すぐに動いたら、また熱出すかもしれないし。
暇なら、とこれを持ってきたんだがいらなかったか」
そういったイシュン兄上の手には本が一冊あった。本を読むのはもともと好きだ。特にこうしてベッドの上にいるしかないときは。ここにはいろいろな物語があるから、なかなか読みごたえがあるんだよね。
「本!
読みたい」
「そういうと思った」
はい、と渡されたそれは全く見覚えがないものだ。こんなに立派に装飾されたものなら、一度見たら忘れなさそうだよね。もちろん、まだすべての本を読めているわけではないが、屋敷の図書室は一通り回っている。背表紙くらいなら見覚えがあってもいいと思うんだけれど。
「読んでみて。
僕が、ここにいるうちに」
どうして? と聞こうとしたときにはすでにイシュン兄上は持ち込んだのであろう本を読み始めてしまっていた。あとで聞けばいいか、とさっそく表紙をめくると、結局二度と読ませてもらうことはなかった絵本と同じタイトルが書いてあった。
『始まりの魔女』




