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愛される王女の物語  作者: ててて
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お茶会の誘い


流れる街並みが途切れ森の中に入った。

木々が生い茂って、しばらく続く。

森を抜けるとパァァっと光が差し込み、目を瞑った。

眩しさに慣れ目を開けると、そこには色とりどりの花が並ぶ。


「綺麗…」


ぽつり。今日はとてもいい天気で、そんな青空の下、風になびく色とりどりの花々がとても可愛らしかった。


外の風景の流れが少しずつゆっくりになり、やがて馬車は止まった。


「シルフィオーネ様、着きましたよ!

ここは貴族御用達の花園です」


ニクロスが馬車から降りて、次に陛下も降りられた。私も降りようとドアに近づくが、思わず下を見る。


馬車って案外高いので、足を踏み外さないように…


そう思って恐る恐る、階段に足をつける。すると、ふわっと持ち上げられ陛下が私を抱き上げた。


「???……陛下…?」


驚いた。そのまま地面に降ろしてくれるのかと思えばそのまま抱っこという形で収まってしまっている。


陛下といえば、私の方に目もくれずそのままニクロスの後に歩いて行くだけだった。


そのまま白いアーチをくぐる。


「はい、シルフィオーネ様こちらがって…おまっ!貴方は何していらっしゃるのですか!?」


ニクロスがやっと気づいた。

外だからか宰相モードになってる。


「…馬車に降りられ慣れてないだろう。配慮しただけだ。」


「あっ、申し訳ございませんシルフィオーネ様。私の配慮が足らず……ですが陛下?もう馬車を降りたのですからシルフィオーネ様を降ろして差し上げてもよろしいでは??」


確かに、とも言えるニクロスの指摘に私はそれとなく陛下の顔を見た。陛下は眉を寄せ、いつもより何倍も眼光が鋭くなっていた。


「……嫌か?」


私を支える腕がグッと力が入る。

…きっと、私が地面を歩く事に何か心配があるのかもしれない。

見た感じ、この花園はとても広いし私はそんな広大な地を歩いたことなんてない。私の体力が心配になり、わざわざ抱っこして下さるのかも…。


「…いえ、あの、嫌ではございません。」


「そうか」


陛下は腕の力を弱め、先へと歩き始める。ニクロスは溜息をつき、「どうせ降ろしたくないだけだろ」などとぶつくさ言いながら、歩みを進めるのであった。


「この辺りが特に見どころの花々だそうです。では、ここにしましょうか!準備しますので少々お待ちください」


ニクロスは連れていたメイド達に指示をしテーブルやらイスやら用意させる。

どうやら、ここでお茶をするらしい。

というか今日はお茶会に誘われたみたいだ。


陛下は背が高いため、抱っこされるとそれなりの高さから花畑が一望できる。

ピンクや黄色の花が生き生きと咲いていて綺麗だった。


私が辺りをキョロキョロして見ていると陛下は地面に下ろしてくださる。


「何か気になるものがあるなら見に行きなさい」


どうやら散策をしてきてもいいそうなので、見に行くことにする。


「…少しだけ、行ってきます」


少し先に白い花の一角が見えた。気になったので近づいてみる。

白い花は花びらこそ小さいが可愛らしく儚げだった。他にどんな花があるのかと見渡すと向かい側から誰か人が近づいてきた。


紫のパラソルを掲げ、ヒラヒラとしたドレスを波打たせながらその女性は私を一点に見つめやって来る。


「…ごきげんよう。見ない顔ね…どこの方かしら。」


その方は私よりも年齢が上の方だ。

ヒールを履いてるためか背が高く私を見下ろすように話しかけられた。


どこの方…と言っても私はどう説明すればいいのか。

私はどこの子なんだろう。

私は身分上、王女だけれどそれは発表されていないし、どう説明するのが正しいか。私は思い悩み、言葉を発せられないでいた。


「ねぇ、聞いているの?なんとか言いなさいな。」


女性は不快感をあらわにし、眉を顰める。高圧的な態度で話す所が誰かを思い出させた。


思わず体が強ばった。


「…全く。何処の娘かは存じませんが、なんて無礼なのかしら。…身なりは貴族みたいですけど、全く礼儀がなってませんわね」


……あぁ、せっかくあんなにマナーのレッスンを受けたのに……。こういう時に出来ないのであれば無駄だったのかな…

先生ごめんなさい。


「なんで貴方はここにいるのかしら?

今日は何故か知らないけど、下級の貴族は入れないのよ。私みたいに上級貴族でないとね。……ちょっと!何か言ったらどうなの!!」


甲高い声に体が震える。

怖い、どうしよう、逃げたい、怖い、嫌だ嫌だ。






「…俺の娘に何をしている。」


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