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愛される王女の物語  作者: ててて
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探検

長い廊下には所々花や画が飾られており、天井にも細工がしてあって綺麗だった。


王宮に来てから大分経ったが、こうやって宮廷内を見るのは初めてだ。


ゆっくりと歩きながら、あたりを見渡す。


「シルフィオーネ、もし嫌だったら嫌って言ってくれていいけれど…手を繋がないかい?その、前を見て歩かないと危ないから周りを見たいなら手を繋いだ方が安全だし。もし転んだら大変だし、それに…」


別に嫌じゃないのですが…


まだ、手を繋ぐということに対し理論を述べようとするレオン様の右手をつかむ。


レオン様は驚いたようにこっちを見ると、そのまま優しく手を握ってくれる。


「どこか行きたいところはある?」


行きたいところ……あ、本がちょうど読み終わったのだった。


「本が沢山あるところに行きたいです。」


「本…図書室だね。よし、行こう」


長い廊下を歩きながら、色々と教えて下さる。例えば、庭に咲く花の名前、掛けられていた画の歴史、すれ違った使用人の名前や特技、あと陛下のこと。


レオン様曰く、陛下は尊敬ができる強くて威厳のある人。だけど、人との関わりが少し不器用な人。らしい。


…わからない。

いつか、分かる日が来るのかな…



「図書室はここだよ。」


開かれた扉の向こうには視界いっぱいに広がる本、本、本。

壁という壁に本が敷きつめられ、あとは机と椅子。


これなに本があると、どの本にするか決められない。


「沢山あるのですね……」


「うん、ここには歴史の本や政治の本とか色んな種類の本があるからね。」


「そうですよ!ここは王国一の図書室ですから!そりゃあ、もう何千万冊と本が…」


「なんでここに居るんですか。」


突然現れたのはニクロス。

本当に驚いた。居るだなんて気づきもしなかったから叫ぶ所だった。


「なんでって、私が先に居たんですよぉ~。レオン様こそ、シルフィオーネ様とこんな所でどうされたんですか?」


「シルフィオーネに王宮を案内しているのです。シルフィオーネが本が沢山あるところに行きたいと言ったのでここに。」


レオン様の話を聞くと、ニクロスはニヤニヤと笑いながら私に近づいてきた。


「へぇ!シルフィオーネ様は本が好きでいらっしゃるのですね!!ではでは、このニクロスにお任せ下さい!貴方様を満足させる面白い本を選んでみせましょう。」


ニクロスは走って図書室の奥へと消えていった。


「…えっと」


「はぁ……シルフィオーネ、大丈夫だよ。ニクロスはアレでもこの図書室の本を誰よりも読んでいるから。何かしら本を持ってきてくれるだろうし、待っていよう。」


そうしてハンスに小さく指示をするとカゴからクッキーを取り出した。


椅子に座り私に1枚差し出してくださる。


それが私の唇の前だったので、羞恥心と戦いながらも断ったら失礼だろうとそのままクッキーをかじった。


でも、やはり恥ずかしいものは恥ずかしい。レオン様の顔は見れないけれどクッキーをもぐもぐと頂く。


「…え。」


「え?」


レオン様が驚いている。

私もその声に驚いている。


「……………手渡したつもりだったんだけど……。」


ぼぼぼっと顔に熱が集まるのがわかる。

恥ずかしい…恥ずかしすぎてどうかなりそう!!


私の勘違いだった。レオン様は私にクッキー手渡ししたつもりだったのに勘違いした私がそのまま口に……!!


恥ずかしい!!!


椅子から思わず飛び降りて、図書室から走り出す。


「待って!シルフィ!!」


だけど、逃げきれず直ぐに捕まってしまった。



レオン様は私の腰に手を回し、強い力で逃がさないようにしている。

私は恥ずかしさのあまり顔が見れず両手で顔を隠している。


なにこれ……



「シルフィオーネ?ごめんね、私がクッキーを置いた場所が悪かったよ。本当にごめんね」


優しく頭を撫でてくださる。


「レオン様は悪くないです…勝手に勘違いした私が悪いです。」


「いや、勘違いしてしまうような場所に置いた私も悪かったよ。」


「いえ、そんな…レオン様は悪くないです。」


そう言い互いが互いを庇いあう。


「……埒が開きませんね。」


そう言って登場したのはニクロスだ。


「はい、こちらシルフィオーネ様にオススメしたい本、厳選5作品です。どれもシルフィオーネ様にピッタリなものばかりですのでよかったらどうぞ。」


「あ、はい。ありがとうございます。」


小さく礼をすると、ニクロスはニコッと笑顔を見せ歩き始める。


「では、そろそろ私は仕事に戻ります。もし、時間があまったら執務室に来てくださいね~」


嵐のように過ぎていった。


「…せっかくだし、どこか読書のできる部屋に行こうか。ついでにこの紅茶とかも飲みながら…ね?」


「はい!」


先程までの羞恥心はどこに行ったのやら。私達は再び手を繋ぎ進み始めた。

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