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愛される王女の物語  作者: ててて
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序盤

*残酷的な表現があります。

☆ニクロス視点



謁見の間は物々しい空気が漂っている。

陛下は国王の座に座り、肩肘をつき威圧を垂れ流している。


配備された何十人もの騎士達は、その威圧をジリジリと受けながらも必死に耐え職務を全うしている。


私はと言うと陛下の隣に立ち、アイツらが来るのを今か今かと待っていた。


憲兵の合図があり、重厚な扉が音を立てながら開く。


そして、この雰囲気が分からないのか…いや、自分の世界に入っているのか。


ドミニカは堂々とした振る舞いで謁見の間に姿を見せた。


隣にはペット…ラベンナ?だったか…娘も連れて。


ドミニカは最早下品と言えるような胸を協調した紫のドレスに、無駄に宝石をつけたティアラやネックレス。化粧は勿論、厚化粧。


ラベンナは髪色や目までピンクというのに、ドレス、ティアラ、ネックレス、ヒール、化粧、全てがピンク。


…俺はもう、視野に入れたくないんだけど。目が痛い…あぁ、シルフィオーネ様に会いたい……


入ってきたドミニカとラベンナは部屋の真ん中で立ち止まり、カーテシーをとる。


…が、いつまで経っても陛下が合図を出さないため顔を上げることが出来ない。


そろそろ足が痺れてきたのか、それとも体重が支えきれないのか、ラベンナはプルプルし始める。


陛下をチラッと見ると、まるでゴミでも見るかのように睨みつけ一向に口を開かない。



(…陛下!気持ちはわかるけど早く終わらせましょうよ!!この後もやる事ありますし、私はコイツらを視野に入れたくありません!!)



陛下にだけ聞こえるように小さい声で抗議する。すると、陛下は私を一睨みして溜息をついた。


「………………面を上げよ」


やっと、顔を上げられて嬉しいのか、はたまた楽になったのかは知らないがドミニカもラベンナも嬉しそうに佇まいを直す。


「お久しぶりでございます、陛下。もう、何年もお会いできず寂しゅうございました。

…陛下も執政や公務でお忙しいですわよね…お手伝いできず、とても心苦しかったですわ。」


目を潤わせながら、なんともわざとらしい。というか、貴方にできる執政も公務もないです。


ほら、陛下なんて威圧どころか殺気までとんで……


「そうそう…!陛下は覚えていらっしゃいますわよね?ラベンナですわ。」


そう言うと、ラベンナが1歩前に出て小さく礼をとる。

…にしても、デブというかぶさ…いや…これが、シルフィオーネ様の姉でレオン様の妹だなんて……図々しいにも程があるだろう。


思わず呆れてしまう。


「ラベンナは作法も綺麗でお勉強もできますの…!将来、この国の第1王女として立派になると思いますわ!」


いや、そのブタ、第1王女じゃないし。

ていうか、密偵からそれと真逆の事が報告されてるし。


「それに…(わたくし)も。

この国のため、陛下のため…正妃として立派に頑張っていきますわ!」


…ん?…お前、なんで今日ここに呼ばれたと思ってんだよ…


呆れてものも言えないとはこの事だろう。


思わず陛下を見ると、陛下も頭を押さえていた。いや、もう剣を抜きそうなのだろう。


殺意を必死に抑えているのが、バンバン伝わってくる。


それをドミニカは気づいていないようだ。何事もないように、定着された笑顔を向け話し続ける。隣のラベンナはニヤニヤと笑いながら、こちらをずーっと見つめてくる。


なんだこれは。


もう、私は知らないぞ。止めないからな。

陛下好きにしていいよ。早く終わらせましょうよ。


そんなことを心で思っていると、陛下がやっと口を開いた。



「黙れ」



ピシャリっと告げられたその言葉にドミニカもラベンナも、まるで鳩が豆鉄砲を食らったように固まる。



「……さて、今日は聞きたいことがある。」



そう言って、陛下はすっと立ち上がる。

そのまま階段を降り、ドミニカ達に近づいていく。


ドミニカはその様子を見て、笑みを浮かべ、頬は高揚していた。


ドミニカの前で立ち止まると思われた陛下は、そのまま歩き一瞬でドミニカの背後に回る。


次の瞬間


「っぐぅ!ぐあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


ドミニカの両足から血が吹きでて、ドミニカは悲痛、激痛な叫び声を上げてその場に倒れ込んだ。


ラベンナはそんな実の母を目のあたりにして、信じられないというようにその場にへたり込む。


陛下は何事も無かったかのように、剣を鞘に戻すと次はラベンナの髪を思いきり引っ張り自分の目と合わせた。



「おい、俺の問いに答えろ。」


「…っあ、ああああ」


ラベンナはようやく陛下の殺気を感知したのか今頃になって怯え出す。


足元にはドミニカが叫びながらも痛みに見悶えていた。


「……シルフィオーネは後宮にいたな?」


「………っ、」


答えなきゃ殺される。そう、分かるのだろう。だが体は恐怖に震え、声は出ない。


シルフィオーネ、という名前が出た瞬間、ラベンナの瞳孔が開く。そして、叫んでいたドミニカが床をはいずり回りながら逃げようとした。それを、私が近くにいき足を踏みつぶして止める。


仕方が無いので陛下はラベンナの髪から手を離す。


ぐしゃ


と、その場に落ち、床に広がる母の血を見つめていた。


陛下は叫び続けるドミニカの首を掴む。


ドミニカも、今は足の痛みよりも目の前の『魔王』の方が怖いのだろう。


一瞬で叫ぶのをやめ、ひたすらに化粧が滲んだ汚い涙を流し続ける。


「シルフィオーネは後宮にいたよな?」


「…………ひっ」


悲鳴をあげながらも、ひたすらに首を縦に降る。


「それを俺に黙っていたな?」


ガクガクと震えながらも首を振る。


「王を騙したな?」


そう、言いながら。陛下は手に力を込める。

どんどんとドミニカの首を閉めていき、ドミニカは口から泡を出しながら苦しんでいる。


「陛下、それ以上やると死んでしまいますよ。」


そっと言うと陛下は手を離した。

こんな簡単に殺すつもりなんて毛頭ないのだ。


さて、はじめよう。





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