表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛される王女の物語  作者: ててて
14/29

準備

ミーナたちが処罰を受けてから2日が経った。

王宮の生活にも少し慣れを感じていて、今は朝食後の甘い紅茶を飲みながら、マーサが持ってきてくれた本を読んでいる。


今までくつろいで本を読むことなんて中々無かったことなので、この時間はとても好き。


コンコン


ノック音が響き、頷くとマーサがそっと扉を開ける。


扉の前で堂々と仁王立ちしていたのは陛下だった。


まさか、陛下がこんな朝早くに、しかも私のお部屋にいらっしゃるだなんて思いもしなかったので、私は焦るあまり本を閉じる。


陛下は私を視野に入れると静かに部屋に入室し、しかもマーサを下げらせた。


私は慌てて立ち上がり、マーサに習ったばかりのカーテシーをとる。


「おはようございます。」


「………おはよう」


一言返すと、陛下は私と向き合うようにソファに座る。そのまま私をじっと見つめ続けてきた。


座っていいのか、話した方がいいのか、なにかした方がいいのか…分からずひたすらに視線をさまよせる。


「………座れ」


「…っはい!」


座っていいとの事なので、大人しく向かい側に着席する。


あれ?これって陛下の分の紅茶も出した方がいいのでは……いや、でもそんな長居はしないのかも……え、どうしよう……。


あーだこーだと悩みに悩み、とにかくこの沈黙を何とかせねば…と口を開こうとした。が、先に陛下がお話になった。


「……何か、不便ならことはあるか?」


「っ?いえ、とても良くして頂いております。」


そして、沈黙。


「……そのドレスは、好きか?」


そう陛下が指すドレスは、まるで羽が生えたかのように軽いのに光に反射する光沢は美しく、鮮やかなコバルトブルーとささやかに着く白いお花が可愛らしいドレス。


朝、マーサにこれを着せられて、あまりのドレスの可愛さに思わずクルクルと回ってしまったほどだ。


「好きです…凄く、青が綺麗で」


あまりいい言葉で表現できないのが残念だが、それくらい綺麗なのだ。


私の返事を聞くと、陛下はフッと口角を上げた気がした。


「…今日は何をする?」


「えっと、読書をしながらマーサに文字を教わろうと思うのですが…」


流石にのんびりしすぎだろうか。背徳感を感じながらも言ってみる。


「そうか。……頑張りなさい」


「あ、ありがとうございます。」


まさか、応援?されるとは思ってもいなかったので驚く。陛下はそのまま立ち上がると部屋を出ていかれた。


……何か用事だったのかな、


コンコン


「はい」


「シルフィオーネ様、陛下とお話ができましたか?」


「…出来たと思います。」


「そうですか!それはそれは…良かったでございます!!

あ、今日はこちらの本を読みませんか?」


マーサは手に持った2.3冊の本を見せてくれる。どれも表紙を見ると楽しめそうなものばかりだ。あぁ、今日もいい一日が送れそうだ。










☆ニクロス視点








「それで、シルフィオーネ様とお話出来たんですか?」


全く、陛下はこれから重要な案件があると言うのにホイホイと娘の顔を見に行った。


気づけば部屋にはおらず、使用人に聞けばシルフィオーネ様のお部屋の方へ向かっていかれたという。


…何しに行ったのか。余程、大切な用があったんでしょうね。


「…まぁな。…青が好きだそうだ。」


「へぇ、そうなんですか。」


まさか、ね?

まさか自分が贈ったドレスを着たシルフィオーネ様を見に行ったとかじゃないよね?

まさか…まさかねぇ。

だって、これから血祭りだよ?

まさか、陛下がわざわざ足を運んで、自分が送ったドレスを気に入ったかどうかなんて…


まさかぁ~


「それでは、陛下。謁見の間に行きましょうか。」


そう声をかけると、陛下はいつもの国王陛下の顔をしていた。


いや、国王陛下というより『魔王』かな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ