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二月十九日の日記。
二月十九日の日記
今日は雨が降ってた。
カイトが赤い傘を差しながら、両手の上にティシュがのせられてた。
更によく見るとティシュに覆われるように横になった非常に弱ったすずめが。
だけれどももう元気は無く、だんだんと呼吸は弱弱しくなってる。
そして、呼吸は止まった。命も止まった。
落ち込むカイトに”弔ってあげなさい”とわたしが言葉をかけたら、首をコクンと上下
に動かし納得してた。そのままカイトが愛用しているスコップを手に、片手にはすずめの
亡骸をやさしく握った。その状態のまま庭にある小さな花壇に向って座り穴を掘った。
時間をかけてすずめ一匹が収まる穴を掘って、すずめの遺体を収めた。そして、その上
から掘り返し盛った土を被せていった。それもとても優しく丁寧に。
その動きははカイトらしいと思う。
小さな傘を肩にのせ、作業を続ける姿が愛しい。
つづく