Beautiful World
概要:
Twitterで月一に催されている「決まったお題で300字の作品を書こう」という企画『300字SS』、
第四十一回参加作です。文字数は改行と全角スペース除いて299字。
補足ですが、マヤの神話によると、現代社会は第五の時代に相当するそうです。
ということは第四や第三、第二第一第零、果てはマイナス一、マイナス二の時代も在った筈。
そんなことに思いを馳せた、ちょっとした短編です。
『お話』にはなってないかも。
超備考:
新作書いたらTwitterで告知してます。宜しければ。
http://twitter.com/drawingwriting
注意:
この作品は「カクヨム」「Pixiv」などでも掲載しています。
「今の世界は、六番目なんだって」
虫の鳴き声が響く夜の森。焚火の前で、ふと彼女が呟いた。
「爺様が言ってた。旧世界は、洪水で流されたんだ、って」
「たかが洪水で? 泳げばいーじゃん」
「みんな泳げなかったとか? 爺様、今の常識で昔を考えるな、って」
「洪水で滅ぶ脆さじゃ、満足に狩りも出来なさそうだ」
俺はごろりと横になった。彼女もまた。
「みんな、いつも腹ペコだったかもね」
「ヤな世界だな」
彼女は笑った。俺は目を閉じる。今日も狩りは上々だった。程よい満腹感だ。
「明日も腹一杯食わせてやるよ。旧世界の奴らが羨むくらいに」
俺は彼女を抱き寄せ、密かに思った。きっとこの充足感は、旧世界には無かったものに違いない――。
ガス○に長時間居座って書きました。
店員さん、ご迷惑をお掛けして申し訳なかったです。