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2.お菓子作り開始です

 見回りをしている衛兵の方達に見つからないよう、極秘の隠し通路を使い無事に厨房へ辿(たど)り着きました。

「わぁ~、すごーい。これが厨房なんだぁ~」

 ルミリア様は好奇心旺盛な小さなお子様のように目を輝かせながらキョロキョロと厨房を見回していらっしゃいます。

 ふふふっ、以前のお堅いルミリア様からは考えられない、可愛らしい一面を見れちゃいましたわ。クロル様の存在でこんなに変わられたんですね。

 そんなことを思いながら、(わたくし)はその間に必要な調理器具や材料を用意することにしました。




「ルミリア様、準備が整いましたので作り始めましょう」

「はっ……、そ、そうだね!」

 ルミリア様は一瞬、何故か「しまった!」という顔をされましたが、すぐに何事もなかったかのようにいつもの表情に戻って(わたくし)の元にいらっしゃいました。(わたくし)、何か変なことを言ってしまったでしょうか?

「えっと、何を作るの?」

 ルミリア様は興味深そうに台に並べられた材料を見ています。

「作るのはクッキーですわ。時間がありませんので早速こちらを混ぜていただけますか?」

「りょうかーい」

 (わたくし)はバターと砂糖の入ったボウルをルミリア様に渡しました。

「どんな風になるまで混ぜればいいの?」

「白っぽいクリーム状になるまでお願いします。できたら(うつわ)にある溶き卵を全部入れて混ぜて合わせて下さい」

「はーい」

 ルミリア様は真剣な表情をしながら慣れない手つきで混ぜ始めました。

 さてと、その間に(わたくし)はオーブンを暖めて、小麦粉をふるいにかけて……。




 数分後、ルミリア様はボウルを持って(わたくし)の元にいらっしゃいました。

「はい、できたよ」

「ありがとうございます、ルミリア様」

 (わたくし)はボウルを受け取り、中へ小麦粉を入れました。

「お次は粉が(まと)まるまでよくかき混ぜて下さい」

「はーい」

 ルミリア様はボウルを受け取ると小麦粉を(こぼ)さないように慎重に混ぜ始めました。……しかし、慎重過ぎてこのままでは時間内に完成しないかもしれないです。

「ルミリア様、少し貸していただけますか?」

 (わたくし)はルミリア様からボウルをもらい、素早くかき混ぜます。

「おぉ、すごーい。小麦粉の恐怖をものともしないなんて」

 小麦粉の恐怖って……そんなに警戒していたのですね、ルミリア様。

 (わたくし)は粉が半分以上纏まったところでルミリア様に交代してもらいました。だって(わたくし)がやってしまっては意味がありませんから。



 ルミリア様が仕上げて纏まった生地を魔道具の冷却箱(クーラーボックス)に入れて冷やしている間に、使い終わった器を洗い、片付けます。

 片付け終わってから生地を取り出し、生地を延ばして型抜き機等を使い成型(せいけい)作業に取りかかります。

「型抜き機って本当に便利だよね~」

 そう言いながらルミリア様はどんどん鉄板の上に生地を乗せていきます。……あの、若干生地の端がよれていたりしているのですが……。

 ルミリア様に気付かれないようにそっと直しておきました。

「あ、そうですわ、ルミリア様。このバターナイフを使ってオリジナルのクッキーを作ってみてはどうでしょうか?」

「う~ん、楽しそうだけど私、絵心無いからなぁ」

 ルミリア様は弱気な表情でそう(おっしゃ)いました。

 確かにルミリア様が絵を描いているお姿を見たことありませんが、自信を持ってできるように、ここは(わたくし)が背中を押して差し上げなければ!

「絵心なんて関係ありませんわ! ルミリア様が考えたものを自由に作り上げていけばいいのですから」

「うん、それじゃあ……」

 ルミリア様はバターナイフを手に取り、早速何かを作り始めました。

 ルミリア様が作っている間に(わたくし)は使わなくなった調理器具類を片付けます。

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