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33Nocturne  作者: 塩越古葉
7/7

1-1-7 探し人


「この剣、ありがとうございました。怪我はありませんか?」


 辺りの安全を確認した後、シグは少女に声をかけた。

 少女は木箱の上に座ったままだったが、恐怖からか呆然としたような顔を浮かべていた。

 ややあってから、焦点の合わないような目できょろきょろと辺りを見回しはじめる。


「あの、大丈夫ですか?」


 もう一度声を掛けるが、聞こえているのかいないのかよくわからない。

 少女は木箱から降りて立ち上がった。

 そして、やはりキョロキョロと辺りを見回している。


「お母様……」


「えっ?」


「……お母様はどこ?」


 そう呟いた後、少女の体がふらりと傾きだした。

 シグは倒れそうになった少女を抱きとめる。


「だ、大丈夫ですか!?」


 気を失っているのだろうか、揺さぶってみたが返事はなかった。

 

「一体、何なんだ……?」


 わけがわからず、シグはそう呟いた。

1章完結です。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

次からは2章が始まります。


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